第88話：ズルい男 ページ9
「………またいる」
ｶﾙｴｺﾞ「いたら悪いか」
「いや、悪いって言うか」
入間にちょっとしたアドバイスをしてから、早数日。
今日も私はいつも通りの業務をこなし、たった1人で真っ暗な職員室を出て帰ろうとしていた(他の先生方はとっくに帰っているし)
していた、のだが
ｶﾙｴｺﾞ「お前と帰ろうと思ってな。俺も今来たところみたいなものだ」
「それは無理があるって、カルエゴが帰ったの2時間前だよね」
ｶﾙｴｺﾞ「職員室を出たのが2時間前なだけだ」
「それ帰ったのと何が違うんだ」
1人でお笑いでもやっているつもりなのか
頑なに待っていたことを認めないなこやつ……
「…最近どうしたの、カルエゴ。ウォーキングにでも目覚めたの？」
先日までは特に一緒に帰るなんてしていなかったはずなんだけど
それどころか空を猛スピードで飛んで帰ってたよね、粛々と定時くらいで仕事済まして…………
ｶﾙｴｺﾞ「別に、歩くことに興味はない」
「じゃあただ疲れるだけだよ？」
ｶﾙｴｺﾞ「構わん」
「………」
ｶﾙｴｺﾞ「…A？」
「えっ、な、なに」
声をかけられてはじめてカルエゴが目の前に来ていたことに気がつく。
何考えてたんだ、と聞かれそうな勢いだったので猛烈な勢いで誤魔化してしまった………
「(だって)」
ぼんやりとした青い月明かりの下。学校の門にもたれ掛かり本のページをめくっていたカルエゴ。
その姿がとても画になるなんて
「(間違っても言えないわ。というか何考えてんだ私)」
ｶﾙｴｺﾞ「……俺と一緒は嫌か」
「は？」
突然横から聞こえてきた、聞き間違いか？と思うくらい弱気な発言に耳を疑う
驚いて顔をのぞき込むと、いつもより少し自信のなさそうな顔が見える
「え、ホントどうしちゃったの」
ｶﾙｴｺﾞ「嫌なのか」
「そうじゃなくて！………嫌なわけないでしょ」
私がそう言うと、カルエゴはﾌｯと笑った
ｶﾙｴｺﾞ「そうか、ならいい」
「…」
そう言って私の頭をサラりと撫でるカルエゴ。
いつもはあまり見せないその嬉しそうな顔と来たら
「…///」
ｶﾙｴｺﾞ「どうした、顔が真っ赤だぞ」
「分かってやってる？」
ｶﾙｴｺﾞ「ﾌｯ、どうだかな」
ああ、ホントズルい男だよ、この
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あると。 - 更新頑張ってください〜！ (2022年10月31日 20時) (
レス) @page24 id: 13f95ce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
kokomii2004(プロフ) - すごく良かったです 更新楽しみに待ってます (2022年9月6日 21時) (レス) id: e00301f65a (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - ねこねこねこさん» 外したつもりが押せてなかったみたいです！ありがとうございます！ (2022年8月2日 19時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこねこ - ｵﾘﾌﾗ付いちゃってまっせ！お気をつけて (2022年8月2日 19時) (レス) id: f692ce80b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えんさん | 作成日時：2022年8月2日 1時
