59.強くなりたい ページ14
「ええ…じゃあ参加しちゃいけないの?」
銀「いけないっつーか、お前参加する理由ないだろ」
「あるよ、修行したいから」
銀「サイヤ人かよ」
悟空だってそんな捨て身しねェぞ、と銀時は言う
いや、悟空好き勝手やってるじゃん、捨て身してるじゃん
と心の中で反発しつつ、私は銀時の目を見て真面目に話し始める
「…強くなりたいんだよ、本当に。もしここで死ぬようなら、その程度だったってだけの話さ」
銀「…」
桂「A殿は、何故強くなりたいのだ?」
「…守れなかったから。大切な人を守る勇気も、力もなかったから私は今ここにいるんだ。だから強くなりたい」
強くなって、今度こそ大切な人を守りたい
心から願うその思いを呟くと、銀時は急に私の頭を撫で回し始めた
グルグルとかき回すように撫でられるので、どんどん髪が崩れていく
「ちょ、ちょっと!」
これ以上崩れないように手を掴み、睨む
その顔には、なんとも言えない哀しさと寂しさが表れていた
銀時も私と同じなのかもしれない、と漠然と思う
根拠の無い考えだが、そんな悲しい顔をされてしまっては私まで弱音を吐いてられないじゃないか
「まあ、これが私が参加したい理由だよ」
高「…テメェがどんなつもりでここに来たかなんざどうでもいい、弱けりゃ死ぬ、それだけだ」
桂「高杉!」
銀「お前いつの間に起きたんだよ」
確かに、さっきまで寝てたよね
そんな私の思いも、銀時の言葉も無視して高杉くんは言葉を続ける
高「何にせよ、やるこたァ1つだろ。夕顔、死にたくなけりゃ俺達の後ろにいろ、本気でついてこい」
「…」
…ぶっきらぼうな話し方
どうでもいい、なんて言ってるけど心配してくれてるのが分かる
だって、なんとなく十四郎に似てるから。不器用そうなところ
「ふふっ…どっちみち死ぬじゃんそれ」
高「……いいからついてこい」
「ねえ、横じゃ、ダメ?」
みんなと、肩並べて、背中合わせて闘いたいんだけど
そういうと高杉くんは不機嫌そうに頭をかいて、好きにしろ、と言った
「鬼兵隊」という隊を連れ、私達を置いて出ていってしまった
銀「アイツ満更でもなさそうだぞ」
桂「だな、奴のことだ、嬉しくても顔には出すまい。…さて、A殿そろそろ行くぞ、準備はよいか」
「うん、大丈夫!」
意を決して、私は銀時や桂くんと共に戦場へ足を踏み入れるのだった
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えんさん(プロフ) - ミカさん» ミカさんまたまたコメントありがとうございます!!そう言っていただけると本当に嬉しい限りです!!^^ はい!!頑張りますね!! (2019年10月19日 2時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 続編ありがとうございます!最初から読ませてもらっていますが、もう、めっちゃ好きですw更新無理せず頑張ってください!! (2019年10月17日 17時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えんさん | 作成日時:2019年10月15日 23時