ナイン。 (ページ6)

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○ ページ6

．

かと思えば、、、

｢げほっ、、、、げほげほっ、けほっ｣

｢しんどいね、翔太｣

｢……ん、ごほっ、、はぁ、はぁ｣

痰の絡んだような
ゼロゼロした咳を繰り返し出した

これも手術の時に入れてたチューブが原因で
起こることらしく

チューブのことを異物だと思った体が
起こす反応なんだって

｢んっ、、げほっ、、、ひゅー、ひゅっ、｣

｢ここに出していいよ？｣

横になってごほごほと咳を繰り返す翔太の口元に
ティッシュを重ねて広げてやれば

弱々しく吐き出される

｢ごめっ、、涼ちゃん｣

｢んん、いいんだよ。気にしないで｣

｢っ、げほげほ、、っはぁ、、、、｣

そんな翔太の手を握って
大丈夫、大丈夫と声をかけてやることしか出来なかった

｢氷枕、ぬるくなっちゃったね、、
新しいの貰ってくるわ｣

未だ上がり続ける翔太の体温で
冷たい氷枕もすぐぬるくなってしまう

｢はぁ、、行かないでっ、、｣

｢でも、ぬるくなっちゃったし｣

｢んん、いて、、、｣

｢うん、わかったから。ね？｣

宥めるようにぽんぽんと背中を叩くと
また顔がほころぶ

何回も申し訳ないなと思いながら
俺はナースコールに手を伸ばした

fin