【HQ】狂 愛 物 語【短編集】

木兎光太郎【監視型ヤンデレ】 ページ49

カチッ、カチッ、とパソコンのカーソルを移動させる音が耳に入る。


ピコン、と短い機械音と共に、パソコンの画面に女の子らしい部屋が映し出された。



「ただいまぁ〜。」


「おかえり、A。さっさと手洗って〜。」


「はぁーい。」



聞きなれた女子の気だるげな返事が聞こえ、ガチャ、と部屋の扉が開かれる。


Aは部屋に入ると、ぼすん、と適当にカバンを放り投げ、制服を脱ごうとシャツに手をかけた。


プチ、プチッ、と制服のシャツのボタンが外される音が小さく響き、やがてAはスカートの短い制服から、ゆったりとした着やすそうな部屋着に着替え終わった。



「あー、今日も疲れた〜。」



スマホを触りながらベットに倒れ込み、あくびをしながら独り言を呟くA。



「ていうか京治くん、人の行動パターン分かりすぎ‥‥。なんなのエスパーなの？」



どうやら、少し目を離した隙にあかーしに電話をかけたらしく、こちらも聞きなれた男子の声がスピーカーから流された。



「いや、俺はエスパーじゃないですけど、Aさんは分かりやすいので。」


「えー、そう？よく読めないって言われるけどなぁ。木兎とか絶対分かってないよ。」


「それは‥‥‥認めざるをえないですね。」


「あはは、それちょっと酷くない？」



仲良さそうに会話を続ける2人。


そうだよ、俺はあかーしじゃないから、Aの心や行動パターンは絶対に予測できない。


でも、どうしても普段読めないAの心情が知りたい。






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿だから、ずぅっと、ずうっとこうやって見てるんだ。

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