【HQ】狂 愛 物 語【短編集】

北信介【束縛型ヤンデレ】 ページ16

「ダメやで、A。逃げようなんて考えてないよなぁ？」


「も、もちろんだよ‥‥‥？」


「そうや、もう一個追加。‥‥毎日キスしよな？」



今日の分やで。そう呟いて俺は彼女の身長に合わせてかがみ、ちゅっ、と可愛らしいリップ音とやらを立ててキスする。



「んっ、信介くん‥‥。」


「Aは可愛ええなぁ。もし、俺以外の誰かと話したらAの事、俺しか見えへんようにするからな。」


「‥‥‥うん。」



Aは目を逸らして頷くと俺からスっ、と放れて教室を出ていってしもた。



「あ、A携帯忘れていっとる。」



俺は、いつものように確認するためAのスマホを開き、メッセージを見る前になんとなーくノリでAの写真フォルダを開いた。


当然、パスワードは知っとるしな。



「‥‥‥‥なんやこれ。」



写真フォルダの一番最初。つまり一番最近の写真。


そこには笑顔で笑う2人‥‥Aと角名のツーショットが保存してあった。


‥‥‥しかもなんやこれ。私服やん。は？学校以外で会ったん？


自分でも顔が引きつって行くのがわかるくらい、今の俺は不機嫌やった。


急いでメッセージを開くと、メッセージの最新の欄に「角名倫太郎」の文字があった。どういうことや、昨日までは無かったやろ。


その時、焦ったからか指が適当なところに当たった。



「履歴？気が付かんかったわ。」



削除したメッセージのところを押すと、その画面いっぱいに角名とのメッセージが表示された。


中には「前出かけたの楽しかったね。」と言う有り得んメッセージまであった。


どろどろと自分の中で黒い何かが流れてくるような感覚がした。

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