・ ページ14
「二級の群れとか言うから、ビルごとやっちゃおうかと思ってたけど、全然大したこと無かったな。」
呪霊の血がついた指をハンカチでふき、Aはぐるりとあたりを見渡す。
「人の気配は屋上からするけど……。」
もう祓ったしいいかな、と引っ掛かりを覚えながらもAはビルの屋上へと足を運んだ。
もちろん、気づかれないように足音は一切たてずに階段をのぼり、ばっ、と一気に扉を開ける。
「……！！」
淀んだ空を背景に、ジャキッ、と目の前に重厚な鉄が構えられる。
「あー……、一般人じゃない感じかな？」
「なぜここにいる。」
屋上にいた男は二人で、どうやら揉めあっているらしかった。高そうな服にもみくちゃのシワが寄っている。
そのうちの一人はパーカーのフードを深く被っていて、顔がよく見えない。
「……私は呪術師の彗華A。ここには任務で来たし、あなた達のことは何も知らないわ。」
正直いって術式を使えば制圧できるが、面倒くさいことはしたくない。下手なことをして呪術規定に触れ、罰せられるのも癪だ。
Aは降参だと言うように両手を上げて、自身の所属を明かした。
拳銃を構えた男はじろりとAを睨む。鋭い視線は彼の洞察力の高さを物語っていた。
まだ信用はされていなさそうだと読んだAはサッと胸ポケットから高専の教員証明書を取り出し、見せる。そこに印刷された顔写真と彼女を見比べ、男はようやくAに発言を許した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1418人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スコッチ大好き - 更新待ってます。続きが気になります (2月12日 16時) (
レス) id: b5263111cf (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - しつこいですが更新待ってます〜頑張ってください！ (2022年10月29日 12時) (レス) @page16 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - こんばんは！！更新待ってます！！応援してます (2022年10月16日 20時) (レス) @page16 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キャンパスロング | 作成日時：2022年9月23日 14時
