15 ページ16
「そろそろ体育館行くか」
時計を見るとフジくん達のバンドの出演時間が近づいていた
人でごったかえす校内を2人で体育館に向かって歩く
「うわっ、!」
「っと、大丈夫か?」
人が多すぎて躓いて牛沢くんの腕に捕まってしまった
は、恥ずかしい…!
「いいよ。手でも繋ぐ?迷子になったら困るし」
だなんていたずらに笑いながらからかう牛沢くんに「大丈夫です、!!」なんて赤い顔で返すと楽しそうに笑われた
・
「凄い混んでるね…」「だな……」
想像以上に体育館には人が集まっていた
ギリギリ入れたものの、ここからじゃフジくんの事見れないかも……
そう思っているとあーちゃんから着信が入った
「もしもしA?ステージ裏に席取ってあるから来なよ!牛沢くんの分もあるし!」
「ほんとに!?ありがとう〜」
牛沢くんと2人で人をかけ分けながらステージ裏へ向かう
薄暗いステージ裏には何組もバンドが待機していてその横には関係者席のようなパイプ椅子の並べられた席があった
「うっしー!A!こっち!」
よく通るキヨくんの声に呼ばれ椅子に座った
「楽しみだな」
「うん」
隣にすわる牛沢くんから言われ、心臓がますますうるさくなる。今日はずっとドキドキしっぱなしだな
演奏が始まると盛り上がる体育館。もちろん、私達も盛りあがっていた
フジくんのベースもあーちゃんの彼氏のギターもとてもかっこよくてみんなに大人気だった
「うお!!!」
ふと飛んできたフジくんのピック
ファンサービスのような行為にレトルトくんは「うっしーずりぃ!!!」と声を上げた
ピックを見て「おいフジ!!!」だなんて声を張り上げる牛沢くん。しかし大きな音にかき消されその声はフジくんに届いていなかった
・
牛沢side
無事に文化祭が終わり、キヨ達とファミレスで打ち上げをする事になった
「おいフジ、何やってくれてんだよマジで」
俺がそう言うとドリンクバーから帰ってきたフジが「えへへ」だなんて笑った
なになに?とレトルトとキヨが近寄る
「これ、Aに見られたらどうすんだよ」
机に置いたピックには「うっしーの恋が実りますように」だなんて書いてあって
「見られたら恥ずかしい所じゃねぇよ」
「いーじゃん青春って感じで」
楽しそうに背中を叩いてくるレトルトと、ゲラゲラと楽しそうに笑うキヨ
・
1人歩く帰り道。1枚だけとったAとの写真を見て口角が緩んだ
「楽しかったな」
54人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こっぺ | 作成日時:2022年10月4日 14時