転生したばっかりなのに政略結婚させられそうです【wrwrd】

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zm｢…この世界は、いい世界やろ｣






zm｢忘れれんくなるで…向こうに戻ったら｣





｢っ、急にどーしたの｣



zm｢………べつに、｣



沈黙が流れる




まぁたしかに


初めて出会った時よりかは、幾らか心地よい空気感ではあるが



先程のゾムのセリフが気になって、お肉が喉を通らない




窓ガラスの向こうには、賑やかな街が広がっている



現世ほどでは無いが、綺麗な夜景




(確かに、未練は残っちゃうかな…)



窓の外から、ゾムに視線を移す



zm｢ゆっくり食べーや｣



といい、こちらを見つめている



｢もう食べ終わったの？おかわりしなくていいの？｣




zm｢んー、まぁ今はAのこと見るので忙しいから｣



｢いや、…見られると恥ずかしいんだけど！｣





zm｢目に焼き付けとかな…Aのこと思い出せへんくなるやろ｣




｢気が早いよ…笑、まだ帰る方法、見つかってないんだよ｣





"例の話"をしてからのゾムは、ずっとこんな感じだった



リリーやショッピ達に相談したいけど、転生の話は伝えていないからなぁ…




｢私が向こうの世界に帰ったら、ちゃんと好きな人と結婚してね｣



zm｢………たぶんむり｣



｢なんでよ、笑

ゾムにだっているでしょ、1人や2人くらい好きな人｣



翠の見開かれた瞳は、ゆらりと揺れた後




zm｢……………まぁ｣




(やっぱいるじゃん、ゾムにだって好きな人くらい…)





すー、と背筋が冷えていく




自分で聞いておいてアレなんだけど、もうこの話題を広げたくない




なんとなく、これ以上ゾムの言葉を聞きたくない






zm｢…Aは？おるん、好きな人｣



と聞かれ、肩が跳ねる



(んー、どうだっけ)

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