胡蝶家末妹は出来損ない【鬼滅の刃】

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「…違う。」


『何が違うの？実際鬼のせいで私たちは被害を蒙っているじゃない！！そんな物が存在するからいけないの。それなのになんで───』


炭治郎さんは私の声を遮った


「巫山戯るのも大概にしろ！
鬼だって昔は人間だったんだぞ！？禰豆子みたいになりたくて鬼になったのでは無い人だってきっと沢山いる筈だ！」


額に青筋を浮かべながら力弁されるが彼の言っていることは理解できない


なりたくて鬼になったわけじゃない？


でも、だから一体何なのだ


鬼が人を喰うということに変わりは無い


『そんな事どうでも良い！
…私の大切な父様だって母様だってカナエ姉様だって鬼に殺された。もししのぶ姉様も殺されたりしたら──あんただって分かるでしょ！』


「でも禰豆子は人を喰わない！それは君も知ってる筈だ！」


知らない


炭治郎さんが言っていることも


禰豆子？という鬼が人を喰わないことも


鬼の事情なんか知ったこっちゃない


「君がやった事は最低な事だ！禰豆子に謝れ！！」


炭治郎さんはまるで親のかたきでも見るかのように私をさげずんだ目で見てくる


何故？


どうしてなの？


鬼は殺すべきなんでしょ？


そのために鬼殺隊があるんでしょ？


あれほど会いたいと思っていた彼が今では凄く怖かった


『あんたの事情なんか、くだらない正義なんか関係ない！私に押し付けないでよ！！』


捨て台詞のようにそう言って炭治郎さんを突き飛ばした


少しよろめく彼


私は逃げた

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