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『も、申し訳ございません。
ですが……どうして私は駄目なのですか? 』


口から出てきたのはこの世で最も簡単であろう謝罪の言葉と小さな疑問だった


『どうして胡蝶の人間ではない者(カナヲ)でさえつけている髪飾りを私がつけては駄目なのですか?』


ずっと聞きたかった


カナヲだけで無くアオイさんやなほさん、すみさん、きよさんに至るまでつけているのにどうして私はいけないのか


私は一応胡蝶家の末妹だし、つけたいとも思っている


それなのにどうしてー


「それはカナヲを貶めているのですか? 」


姉様の声が低くなった


あまりの迫力に少し後ずさる


背中に冷や汗がつたった


『いえ、決してそういう訳では───』


「いかなる理由があろうとカナヲを侮辱することは許しません。カナヲは私の家族ですし貴方なんかの何倍も大切です。」


弁解をしなくては


『違うんです、姉様───』


「姉と呼ばないでください。貴方を妹と認める気はありません。そう呼ばれただけでも吐き気がします。」


あぁ、もう無理だ


我慢して堪えていたのだがおさえきれずポタポタと瞳から雫がこぼれ落ちた


『私は貴方のことが大好きです。
けれども何故そんなに私のことを嫌うのですか?
私は貴方に何か致しましたか? 』


震えを必死で抑えながら消え入りそうな声で尋ねてしまった


いや、ついつい口から零れてしまった


姉と呼ばれるのが嫌なのそうなので本当は姉様と呼びたいが無理矢理〔貴方〕に変えた


だがしばらく経っても返答がない


恐る恐る顔を上げると


「何かしたか、だって? 」


姉様は先程までの顔とは一転、憤怒の顔をしていた

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re-to(プロフ) - 気づいたら目から涙が流れてました。誰も幸せにならない話は久しぶりに読んだので色んな人の気持ちを考えるとすごく辛くなりました。とてもいい話を書いてくださりありがとうございます。 (2022年6月10日 21時) (レス) @page36 id: 15c8ca49bf (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 妹ちゃん…。なんていうか、鬱になる終わり方でしたね。姉に認められたい、皆に認められたいだけどその期待に答えられなかった。辛いですよね…。今回はしのぶちゃんが凄い嫌な感じって言ったらいいのかななんか凄くて私なら恨みそうです。私なら鬼になりたいって思う‪ (2021年9月27日 23時) (レス) @page36 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
まチョコ - しのぶさん…本当はこんなことしたくなかったんだろうな…。本当は妹として…認めたかったんだろうな。悲しい。頑張ってください。 (2021年9月27日 21時) (レス) @page34 id: b9e98ac7b6 (このIDを非表示/違反報告)
mitunari1985(プロフ) - す、凄い鬱になる…のに何回も読んでしまうのは何故なんだ…この世界線のしのぶさんカナエさんにガチギレされるのでは?自殺に追い込んでる訳だし、皆んなと結託して攻撃してるしなぁ (2021年5月25日 0時) (レス) id: a4d6628367 (このIDを非表示/違反報告)
パッショーネ・バルサン - 貴様っ(ジョジョを)見ているなっ! (2020年6月25日 20時) (レス) id: e3cb6683f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小夜子 | 作成日時:2020年1月27日 17時

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