↓part1 ページ20
「あはは！陸ー、お前もやれよ！」
「いやだよー！なんで俺が！」
「お前ら、ほんとガキだなー！あはは！」
「また男子騒いでんねー」
『そ、そうだね』
廊下ではしゃぐ男子の声
友達はうるさくて煩わしそうだったけど、病室ではこんなに騒ぐ声聞けないからか、私はあまり嫌いではない
「うるさいぞ！…っまたお前か七瀬」
「先生っ！」
「あー、また怒られてる七瀬」
「ちょっと！俺のせいにしないでくださいよ！」
「陸ー、目立つのは顔だけにしとけー」
「もー、なんだよみんなして！」
「あははは！！」
「七瀬くん、怒ってても可愛い…」
「私、今までみたなかで、七瀬くんが一番イケメンかも〜」
「あんなにカッコイイのに、気取ってなくて良いよね！」
「Aちゃんの彼氏、大絶賛だねぇ」
『か、彼氏！？！？そ、そんなんじゃないよ！！』
「へー、放課後一緒に帰ってるのに？」
『そ、それはその…！補習が一緒なだけで！』
「あれ、補習もう終わったんじゃなかったっけ？」
『…！！それはそうだけど！！……り、陸くんは友達、だよ』
そうだ、私なんかが…彼女とかないよ、ないない！！
私よりももっと良い人いるだろうし！
補習の放課後に一緒に帰るクセがつき、その流れで今も一緒に帰っているけれど
私、もう少し遠慮したほうがいいのかな
陸くんすごくモテるし、別の子と帰りたいときもあるんじゃないだろうか
なんて思っていたが、結局来てしまった、陸くんの教室
習慣って怖いな
周りはチラホラと帰っている
今ならバレずに、ここから去れる…かも
「あ、A！ごめん、今日日直でさ、もう少し待って！」
呆気なくバレた…
「七瀬ー、そんなの俺らがやっとくから、はやく行ってこいよ」
「そーそー！彼女待たせんなよ！」
「かのっ！？！？まだ彼女じゃないから！！」
「まだ？」
「まだ？」
「ちがっ！！そういうんじゃなくて！！いや、違うくないけど！！」
顔も真っ赤にして陸くんは言う
私はというと、必死に聞こえないふりをしていた
「(平常心、平常心…)」
「じゃあ！よろしく！！」
やけになった陸くんは、帰る準備を始めた
「おー、任せとけ任せとけ」
「今度なんか奢れよー！！」
「はぁっ、ごめん遅くなった！」
『う、ううん！全然いいよ』
そのあとの帰りはなんとなく気まずくて、いつもより沈黙が続いた
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作者名：ひな x他1人 | 作成日時：2018年5月1日 0時
