子供>>5 ページ6
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｢お待たせ〜｣
｢ごめんね｣
｢あ、いえ！ありがとうございます！｣
ぱたぱたと、帽子を被った状態で出てきたヒラさんと、眼鏡姿のフジさんに頭を下げる。
彼等が4人で話し合って、最終的にこの2人で決定したらしいが、私の買い物の付き添いを誰にするかを決めてたということ以外は、会話の内容を知らない。
マンションの駐車場にある、フジさんの車。
どうぞ〜と言いながらヒラさんが助手席を開いて、お前の車じゃないだろと突っ込む。
漫画のようなやり取りにくすくすと笑えば、ごめんねとフジさんに謝られた。
｢いつもこうですか？｣
｢うん。ちょっと煩いくらい｣
｢ふふ、でも楽しいです｣
大人の男の人の車、は今まで結構乗ってきたから、あまり緊張とかは無かった。
職業柄…というか、たかがアルバイトだけれど。知らない車の匂いとか、内装とか。そういう物で持ち主の性格を判断してしまうのはもう癖だろう。
やめないとなとは思っていても、自然と目を彷徨わせてしまうのに気付いて、膝に置いた手へと視線を下ろした。
｢深紅ちゃん、なんか好きな曲ある？｣
｢え、と……｣
｢今の若い子の流行りとか俺分かんないなあ｣
｢俺も｣
そんな会話に同調したくなった。
バイトに明け暮れていると、今流行りの雑誌を読む時間なんかは、全部自分の時間にあてたくなってしまう。
その自分の時間という名の娯楽の中に、音楽や流行りのファッションは入っていなくて。私のしたい事を、したいように。
曲を聴くんじゃなくて、好きな洋服を買いに行ったり、睡眠欲のままに惰眠を貪ったり。
つまりは、私の娯楽の中に音楽鑑賞は入っていないのだ。
｢曲とか、あんまり聞かないので｣
｢じゃあ俺の好きな曲かけちゃお｣
｢はい、是非｣
フジさんがスマホをケーブルに繋いで、何か操作する。
少しして、インパクトの強い派手な曲がかかり始めて、初音に肩が揺れた。
なるほど、ロックバンド。
｢フジさんってパンクロックが好きなんですか？｣
｢メタルでもなんでも、ロックが好きなんだ｣
聞いてるとテンションあがらない？なんて、首を傾げて見せたフジさんに頷く。
確かに、落ち込んでる時に聞いたら悩みなんて吹っ飛びそうだな。
気使わなくていいんだよ〜なんて後ろから言われて、苦笑した。
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偉(プロフ) - 千夏さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年9月30日 1時) (
レス) id: 9637783203 (このIDを非表示/違反報告)
千夏 - キヨくん大好きなので、続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月28日 22時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：偉 | 作成日時：2019年9月26日 3時
