子供>>1 ページ2
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｢……あ？｣
6月某日。
俺はいつも通り、視聴者から最俺ハウスと呼ばれる家に向かう前に少し遠めのコンビニで食べ物を買おうと思っただけなのだ。
がさがさとコンビニの袋を揺らしながら外に出て、車に乗ろうとした瞬間に、聞こえた声
｢やだ!!やめてって!!離してよ!!!｣
コンビニの裏、暗闇の中から聞こえるヒールの音と言い争っているような話し声に、聞こえないふりをして扉を開こうとした。
極力、面倒な事には関わりたくないし、その一心で派手な色に髪を染めた。
結果、思惑通り道端で声をかけられることも、他の同業者からコラボの誘いを受けることもなくなって(完全に無くなった訳では無いが)、楽に過ごしている。
だから今回も、自分は関係無く去ることができると確信していた、のに
｢あ！！｣
運転席に乗り込んでドアを閉めようとしたら、何かに遮られてぎょっと見上げた。
さっき言い合いをしていた声の主であろう、ギャルっぽい見た目の女がそこに居て。
｢この人、あたしの彼氏だから｣
｢……は、｣
｢分かったなら早く帰ってよ。2度と関わんないで｣
喚き続ける相手の男の前に、車から俺を引きずり出したその女は迷惑そうな顔をしてから、行こう。と笑顔でこっちに振り向いた。
行こうってなんだ、そもそもお前誰だよ、どこに行くつもりだ。
言いたいことは沢山あったのに、その威圧的な笑顔に押されて運転席に改めて乗り込んだ。
いや、俺だって馬鹿ではない(周りには馬鹿と言われるが)から、これがその男から逃れるための演技だというのに気付いて、平然とした顔で助手席に乗り込んできた女に頬を引き攣らせながらも車を出した。
適当な所まで行ったら降ろせばいい。あの男が見えなくなったあたりで、
｢あの、｣
｢あ、はい｣
｢ありがとうございます｣
｢あー……まぁ、美人も大変っすね｣
きょとん。女が不思議そうな顔をしているのが視界の端で見えて、はっとする。
何を急に、これじゃ口説いてるようなもんじゃないか。
そんなつもりは無かったと伝えるために慌てて、いや！と声を張った。ら、思っていたよりも大きな声が出て直ぐに後悔した。
はぁ。やらかしたなと溜息をついて、丁度赤になったお陰で止まった車に感謝した。
｢すいません。もう、ここで大丈夫っすよね｣
｢え、あの、｣
ハンドルに俯せてもう1度溜息をつく。
ばたん。閉じたであろう車のドアに安堵した。
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偉(プロフ) - 千夏さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年9月30日 1時) (
レス) id: 9637783203 (このIDを非表示/違反報告)
千夏 - キヨくん大好きなので、続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月28日 22時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：偉 | 作成日時：2019年9月26日 3時
