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89,お嫁さん ページ17

〜not side〜


真っ暗な部屋の中。

美しい木製の肘掛け椅子に座らせられた白い髪の女が目を覚ました。

『ぅ…ここは…』

?「目が覚めた?」

低い男の声が響く。

『誰だ』

女の赤い瞳が声の主をキッと睨みつける。

?「まあそう警戒しないでよ。もうすぐ夫婦になるんだから」

『なっ…!?』

男は女の顎をクイッと持ち上げる。

『くそっ…』

椅子に縛りつけられた女が出来る抵抗は顔を背け続けることだけ。

?「…ここから逃げたい?神田 Aさん」

『なんで名前…いや、そんなことはいい。今すぐに私を解放しろ』

?「あは、だーめ!そんなことするわけないじゃん!」

男は楽しそうに笑う。

?「君は僕のお嫁さんなんだから」

『誰が…お前、絶対にぶっ殺してやる…!』

?「…いいの?そんなこと言っちゃって」

『え』

?「あの金髪くんと黒服くん。えっと…レン君と高橋君…だっけ、大事でしょ?」

『もちろん大事だ』

?「彼等は今、僕の言いなりなんだよ。つまり、君の行動次第で彼等の生死は決まる」

女は目を見開いた。

『なに、それ』

?「僕が死ねといえば彼等は死ぬ。あ!殺し合わせても面白いね〜!」

男はくすくすと笑っている。

しかし目は全く笑っていなかった。

?「僕は本気なんだ。それを踏まえて返事を聞きたいな」

男は女に跪いた。

?「僕のお嫁さんになってくれるよね」

『っ…』

女は俯き、小さく頷いた。

それを見た男の顔はパァっと明るくなる。

?「やったぁ!」

男はぴょんぴょんと跳ね回り、まるで小さな子供のようにはしゃぐ。

?「あ、でもー」

ふと、男は跳ぶのをやめてまた女に近づく。

?「やっぱりちょーっと不安だな。だから____」


シャラン


女の眼前にぶら下げられたアメジストの振り子。

細い鎖に繋がった六角形の美しい宝石。

女はキラリと光るそれから目を離せなかった。

?「____君のココロ、今すぐ僕にちょうだい」

『ぁ…』

みるみるうちに女の瞳から光が消え、やがて意識を飛ばした。

?「おやすみ、僕のお嫁さん」

男は女の唇にそっとキスを落とし縄を解くと、横抱きにして部屋を出た。

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夜風 樹(プロフ) - 結菜さん» コメントありがとうございます!いえいえこちらこそ!返信クソ遅くてすみません!シリーズすべてにコメントしてくださいましたよね!ありがとうございます!楽しんでいただけたのなら幸いです!これからも頑張ります!ありがとうございます! (2018年8月5日 11時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - コメントクソ遅くてごめんなさい!最初から全部読ませていただきました!とても楽しかったです!これからも作品作り、頑張って下さい! (2018年8月5日 6時) (レス) id: 4eaa158dbb (このIDを非表示/違反報告)
夜風 樹(プロフ) - メプルさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです!次回作の方も頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年6月9日 22時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
メプル(プロフ) - 完結おめでとうございます!楽しんで読ませて頂きました!新作も読みます!頑張って下さい!(●'д')bファイトです (2018年6月9日 22時) (レス) id: 57070503d4 (このIDを非表示/違反報告)
夜風 樹(プロフ) - ピカグさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!これからも全力が頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年5月28日 0時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜風 樹 | 作成日時:2017年11月12日 23時

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