チビだったからってナメんなよ【マフィア松】

88，今度は ページ16

〜おそ松 side〜


おそ「ふぁ〜…ねむ…」

まだはっきりしない頭で着替える。

時刻は朝5時。

最近はこの時間帯に叩き起されるから、俺と一松は自然と目が覚めるようになった。

一「おそ松兄さん」

おそ「あ、一松おはよー」

一「おはよ…」

眠たそうに目を擦っている一松が部屋から出てきた。

おそ「行くか」

一「うん」

一松と並んでAの部屋に向かう。

一「今日、A起こしに来なかったね」

おそ「あーそうそう。寝坊か？」

一「かもね」

一松と顔を見合わせて笑う。

今日は俺達が起こしてやろうぜ、なんて言いながら。

おそ「おじゃましま〜す…」

Aの部屋に忍び込み、ベッドを覗く。

おそ･一「…あれ？」

ベッドはもぬけの殻で、部屋の中には誰もいなかった。

おそ「一人で出た…とか？」

一「…書斎？」

おそ「それだ！」

全力ダッシュで書斎まで移動し、思いっきり扉を開けた。

おそ「…A？」

書斎の窓は開けっ放しの窓。

散らばった書類。

どこにもない白い髪の彼女の姿。


ドクン


心臓が嫌な音を立てた。

おそ「…一松。全員集めろ」

一松「おそ松兄さん…？」

おそ「Aがいない。外部にバレないようにしつつ捜す。いいな」

一松「っ…了解」

一松がみんなを起こしに行ったのを見届けて、一人で大きくため息をついた。

おそ「A…」

もちろん返事なんて返ってこない。

きっと、アジト(ここ)にAはいない。

取り戻さないと。

この世界では、光がいないと生きていけない。

Aがいないと生きていけない。


一「みんな呼んできた！」

おそ「さんきゅーな一松。さて、お前ら！」

空気が変わる。

全員の背筋がぴんと伸びた。

おそ「Aを捜す。ボスがいないことを外部に悟られないように」

弟達は力強く頷く。

おそ「一刻も早く見つけだせ！」

「「「「「おう！」」」」」

Aは俺達を救ってくれた。

今度は、俺達の番だ！



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〜失踪組〜

レン「なぁ高橋。あいつら、俺等がいなくなった時もこんな必死だったっけ？」

高橋「…いいえ」

レン「だよね。明らかに差があるよね」

『高橋はともかく、レンは日頃の行いの悪さが原因だろうな』

レン「黙れ人気者」

『ハッ(嘲笑)』

レン「(うぜぇ…)」

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