蝶屋敷の食事係の私と霞柱の間に子供ができた件。弐【時透無一郎】

弐拾伍ノ話 #秘策 ページ28

しのぶside



…実質頚を落とせる柱は冨岡さんしか居ない…！






私は『アレ』を使うしか無い…！






『アレ』とは…



憎いこの鬼を倒すために作った強力な毒。


…今までは使わなかったもの。



この毒を頚に打ち込めれば勝機があるかもしれない…！




でも指揮を取れるのは私だけ。


危険を侵して行くしかないこの方法をやるべき…？





…でも、やるしかない！







カナエ姉さんの仇を討つため…！



美月の幸せを返させるため…！






少しでも弱体化させられれば…！









この毒は最初こそ先程使った毒と変わらないため


アイツは分からないはず…。





あとからジワジワ効いてくるのを待つだけ。









姉さん…！



私達を護ってください…！









胡｢蟲ノ呼吸！


蜈蚣ノ舞



百足蛇腹…！｣




左右に踏み込み撹乱させる。



童｢しのぶちゃん、もう諦めたら？



どう頑張っても君は俺には勝てない





ほら、



せっかく今使ってくれたこの毒も、


簡単に治っちゃった｣






胡｢…ッ…！｣




私は演技をする。


心の中では『馬鹿なヤツめ』と嘲笑いながら。





…今からお前は地獄行きだ…！





あとは時間稼ぎをするだけ…！




誰かがきっと頚を斬ってくれる…！








ふと冨岡さんの方を見ると


私の方を見て頷いていた。





…もしかして、私の意図を汲んでくれた…？









……まあ、そんなわけないですよね…。

弐拾陸ノ話→←弐拾肆ノ話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す