蝶屋敷の食事係の私と霞柱の間に子供ができた件。弐【時透無一郎】

拾陸ノ話 #怒り ページ18

無一郎side



…ここは、どこだ？






俺は見回りをしていて…






くそ…思い出せない。







??｢…あれぇ？もう起きちゃったぁ？｣





背後から気色の悪い声がした。



…鬼だ……！









それを瞬時に感じ取った俺は



咄嗟に刀に手をかける。






しかし俺の手は虚しくも宙を掻いただけだった。





無｢…刀が…無い…！｣



??｢…刀なら、取り上げちゃったぁ！｣



…何が目的だ？


俺がまだ振り向けずにいると背後の鬼はまた続ける。




??｢なんで君をここに連れてきたのか分かる？

知らないなら教えてあげるよ？


君のだーいじな美月ちゃんをおびき寄せるためだ。｣




狙いは美月か?!



くそ、日輪刀がなければ…！







無｢お前にそんなことはさせない…！｣



??｢美月ちゃんは、稀血の上に

柱の子を2人も身篭ってるって聞いたよぉ？

…君の子だろう？


だーかーら、俺がまとめて食べてあげる。

柱の子供、しかも君みたいな天賦の才を持つ親の子だからさぁ、



きっと子供も強いと思うんだよ


だからぁ、君の大事な美月ちゃんを喰ったら、


俺はもっと強くなれる。



心配しないで！


俺は優しいからさ、君の目の前で美月ちゃんを喰ったら、


君も一思いに首を切ってあげるからさ？｣




無｢…上弦の、弐…！｣



美月とお腹の子を喰うだと…?!


…そんなことさせない…！





美月、来るな！




来たら、殺される…！





日輪刀を持たない俺は今、非力だ。




守ってやれない。






くそ…！


俺がもっと警戒していたら…、








童｢…そうだよ？俺は童磨。

上弦の弐さ！


せいぜい君は、ここで大人しくしてるんだね｣





無｢…ふざけるな…！｣



俺は腸が煮えくり返るような怒りを抑えて、

憎いあいつにそう叫んだ。





童｢でもさぁ、今の君に何ができるの？

この刀がなければ何も出来ないでしょう？｣




あいつはニタアと笑い、その手には俺の日輪刀を持って俺に見せる。





俺は唇を噛んで怒りを抑えることしか出来なかった。





無｢…美月！来たら駄目だ…！｣

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