キスの味（紫・桃×緑） (ページ21)

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『俺、今好きな人がおんねん…その人と今一緒に住んでて』

「…そうなんや…どういう人なん？」

『甘え上手で、俺のことめちゃくちゃ大事にしてくれて愛してくれる人』

「ええ人やん…そっか、恋人おるんか」

『そう。今俺めちゃくちゃ幸せ』

俺の言葉に少し顔を歪ませて
でも、それはほんの一瞬で

「へぇ、良かったやん」

すぐに平然とした表情に戻って

「俺のことはすっかり忘れてたって感じか」

『…まぁ、、でもこうやって再開するって思わんかった』

「ホンマやな？ある意味、運命的」

俺の目を見て言ってきたはまちゃんは
指を滑らせて俺の手に触れてきた

ビクッ

「相変わらず…白い肌やな」

『っ…やめてや』

「俺な？神ちゃんのすべすべでキメの整った肌がすごい好きやってん」

『…っ』

「昔はウブな反応が可愛かったけど…もう随分と大人になったなぁ、…色気とか…めちゃくちゃ出てるし…モテるやろ？」

『…それなりには』

「また、昔みたいに俺の家に遊びにきてや」

それって

「あの飴…まだ舐めてんねん俺」

ゴクッ…

『ぉ、おれ』

「あと、連絡先消したって嘘やんな？…LINE開いたらまだ神ちゃんのアカウントあってん…ほら」

画面を見せてきたと思ったら
未送信のメッセージがあって

送信ボタンを俺に見せつけながら押した

ピコン…

とメッセージが届いた音が鳴って

はまちゃんは確信を得た笑顔を浮かべた

「…いつの間にか…そんな嘘つきになったんやろ…？」

『…こ、これは…』

「なら、さっき言ってた第二ボタンもしっかりと持ってる可能性高いな？」

ニヤニヤと笑ってて
俺は変な汗が流れる

「やっぱり神ちゃんは嘘つくの向いてへんよ」

『…っ』

はまちゃんは
昔より更に色気を身に纏い、妖艶に笑った

動揺を悟られたくなくて

俺も必死に抵抗する

『てっきり消したと思ってたんやけど、残ってたか…まぁ、そんなんすらどうでもいいくらい、俺は今の恋人と楽しくしてたからな…』

「…」

『俺、恋人とイチャイチャするんに、忙しいから遊びになんか行く暇ないわ、ごめんな？はまちゃん笑』

弁当を片付けて
手をヒラヒラ振りながらその場から立ち去る

心臓がうるさかったけど
平然を装って、何とか切り抜けた

「…随分と生意気になったなぁ…笑」