野良猫とひよこ

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望「なぁ、さっきお前どこ行ってたん？」



『ん？どこでもいいやろ？学校探検』



望「小学生みたいやな」



『うるさいなぁ』


望「なぁ、昼飯一緒に食お」



『やだ…やってたくさん友達おるやん』


望「おるけど、お前に友達まだおらんやん」


『余計なお世話』


望「ええから食べよ」



こんな会話をしていれば


「入学式の時から思ってたんやけど、ちっちゃくて可愛いな？」


「小瀧と比べるとマジ親子やわ笑」

「小日向さん、可愛い」



バカにしてくるひとたち


『可愛くないっ』


怒れば


「「「かわいいー」」」

みんなにバカにされた


神山くんが席を立ったから


それに反応してついて行こうとすれば



ヒョイっと体が浮いて


まさに急に抱っこされた赤ちゃんの気分


え、なんで浮いてるの？




正体はこいつ

望「ほんまチョコチョコ動きやがって」

こいつに抱っこされてた



強制的に膝の上に座らせられて片腕ホールド


弁当を広げられ

仕方なくそこで食事


「仲良いね」

望「幼馴染やからな」

「え！そうなんや！」

「小日向さんって、可愛いし、色素薄くて、なんかヒヨコみたい」



『え』


「ひよこちゃんって呼んでいい？」


望「ぴったりなあだ名やん」


『ぴったりやない！』

望「そうやってすぐ怒る…怒りん坊」


さっさとご飯を食べて

のんちゃんの膝の上から降りる


さっき神山くんが行った場所へ向かうと


案の定そこに居て


ベンチに横になってた


綺麗な寝顔


神「なんや…」


『あ、起きてたの』



神「うるさい視線を感じたからな？」


『神山くん、友達作んないの？』



神「いらんやろ？」


『いや。必要やで』



神「ならお前」

『へ？』


神「お前でいい」





『友達ならちゃんと名前覚えてや』


神「…A？」


『っ』


急に下の名前で呼ぶのはズルい


心臓に悪い


神「なんか、ひよこみたいやし…ひよこって呼ぶわ」



『へ』


神「何かあったら、ひよこに頼めばええやろ？…俺は寝るからどっか行け」



『…やだ』



神「…好きにしろ」

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