10.あら、御客様、いらっしゃいませ。 ページ10
「雨芽…さん？」
『何でしょう？席の方は…彼方にしましょうか。』
雨芽の手が指す方向には血に濡れたテーブルがあった
敦が怪訝そうに顔を歪めると、雨芽は気がついたように綺麗な布巾を持ってきて拭いた
その間も笑顔は雨芽の顔から消えることはない
『いつもので宜しいですか？』
「雨芽さん、今あることから逃げても辛いだけです」
『＿＿何のことでしょうか？御客様、ご注文を』
本当に何もかもを見えていないように雨芽は首を傾げた
「雨芽さんッッ！」
『何でしょうか…？』
「見てくださいッ、こんなの可笑しいんですッ！」
きょろきょろと雨芽が辺りを見渡す
『店内はいつも通りですけれど、何かあったのですか？』
少し不思議そうに敦を見つめる雨芽には何も届かない
叫んでも、嘆いても、何も…何も届かない
確かに倒れたマスター、従業員達の肉片が散らばり血痕が辺りを染めていると言うのに。
「…ッ」
『御客様…、見たく、ないのです』
「え…？」
雨芽が眼を伏せる
長い睫毛が水滴で濡れている
頬には涙が伝う
震えた唇は言葉を発す。
青白い肌が美しいその体を際立たせる
『こんな、こんな…こんなのは夢なんです…ほら、いつも通りの店内でしょう？ねぇ御客様』
すがるような声に敦は唇を噛む
じわりと敦の口のなかに鉄っぽい味が広がった
『夢だと思っていないと…、もう…耐えられない』
「…」
『これがこの腐敗した世界を包む霧なのだとしたら、私はそれにすがりたい…。頼らなければ壊れてしまう…ねぇ、間違いなの？私がおかしいのですか？』
御客様っ、と嗚咽を含んだ声で叫ぶ
敦は答えられずにいた
僕が彼女を否定してしまったら
彼女はどうなる？
彼女の唯一の救いを奪い去るのが僕のすべきことか？
＿人を救わぬ者に生きる価値はない
今、僕が出来ることは彼女を護り、依頼を遂行することだ
それが彼女を…
うずまきの方々を救うのだ
僕なんかに出来るかなんて分からない
でも、今の僕に出来ることがあるなら僕はそれをすること。
それが僕の存在意義だ。
生きているという証なんだ
だって、そうだろ？
＿人を救うものに生きる価値があるのだから
11.親友君、またのご来店を→←9.アン様、いらっしゃいませ。
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ミレー - ラムさん» いえいえ大丈夫ですよ(*^□^*) 此れからも楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月8日 10時) (携帯から) (
レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» ♯41に恐らくあります.......。更新の間が空いてしまい、読みづらくなっていてすみません、(リア友宛で頼まれた小説を書いてるもので) (2019年12月7日 8時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様最後に何を言ったのでしょうか？(。-∀-) 続き楽しみですv(・∀・*) (2019年12月7日 7時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - ラムさん» ありがとうございます(≧∇≦) 楽しみですσ(*´∀｀*) (2019年11月22日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» まぁいとこですけどね笑笑 続きは更新しますよー (2019年11月21日 18時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：少女F(旧ラム) x他1人 | 作成日時：2019年7月8日 0時
