29.月花の暗殺者、いらっしゃいませ。 ページ32
僕は確かにその名に聞き覚えがあった
確か、書類を整理していた頃国木田さんが話してくれたのだ。
芥川は危険だ、だがそれよりも恐ろしい存在が昨年までいたと。
僕は耳を疑った、芥川は強い。尋常じゃなく
それを超える存在…そしてそれの名を国木田さんは「月花の女王」と、そう言ったのだ。
年端のいかぬ、小さな女の子で満月の夜にターゲットを殺す。
その方法は単純でナイフで頸動脈を切り裂く、というものだった
そしてその死体は必ず美しい花畑の真ん中で発見される
だから月花の女王。
敦の頬を気持ちの悪い汗が流れて落ちる
雨芽は変わらず無表情で墓に手を合わせている
『私、姉様無我夢中が死んでいたことを知ったの…一昨日何です。
丁度事件が始まるその1時間前に太宰さんから
信じられなくってでも、今分かりました。
これは事実。
姉様は私が人を殺して回っている頃、確かに死んだのです』
「……雨芽ちゃん？」
『なんでしょう？』
雨芽は笑っていた。
だが、いつもの様な無慈悲な笑顔ではない
それすらも超越した悪魔の笑みだった
敦の背中にぞくりと何かが走る
「……い、いや…こ、ここから離れよう？」
敦の中で今は関わってはいけないと察した
スイッチの変わる音が聞こえたからだ
触れてはいけないなにかに触れた時の人間のスイッチ
それに触れてしまったのだ
『敦様』
雨芽の声が耳元で聞こえた
瞬発的に前方に飛び退く
雨芽は薄気味悪い笑みを浮かべたままじっと敦を見つめていた
敦は殺気を読み切ったのか虎化を解かない、否解けない
「え、と、虎が…」
『……″月花の暗殺者″…青梅雨芽。
″その殺意に触れた者、還るべからず。″』
「…！」
敦は雨芽に虎の爪を向けた。
30.月花の女王、いらっしゃいませ。→←28.思い出、いらっしゃいませ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミレー - ラムさん» いえいえ大丈夫ですよ(*^□^*) 此れからも楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月8日 10時) (携帯から) (
レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» ♯41に恐らくあります.......。更新の間が空いてしまい、読みづらくなっていてすみません、(リア友宛で頼まれた小説を書いてるもので) (2019年12月7日 8時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様最後に何を言ったのでしょうか？(。-∀-) 続き楽しみですv(・∀・*) (2019年12月7日 7時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - ラムさん» ありがとうございます(≧∇≦) 楽しみですσ(*´∀｀*) (2019年11月22日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» まぁいとこですけどね笑笑 続きは更新しますよー (2019年11月21日 18時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：少女F(旧ラム) x他1人 | 作成日時：2019年7月8日 0時
