25.鼠様、いらっしゃいませ。 ページ28
「ふうん…この子ですか」
つまらなさそうに男、フョードルは雨芽の喉に触れた
「うんうん!ドスくんに云われた通りの子だよー」
「で、その手の傷は?」
ゴーゴリは自分の腕を見つめるなり笑って云った
「その子に刺されたんだー!」
「貴方相手に…ですか」
「まぁねー!」
「はぁ…この子で遊んでも意味はありませんよ」
フョードルは重い溜息を吐いた
ゴーゴリはフョードルの顔を覗き込んだ後、さっと後ずさりをした
「ど、ドスくん…泣いてるの?」
「えぇ…何故でしょうか」
フョードルは泣いていた。
涙は頬を伝い、雨芽の頬へと落ちる
「ん、ぅ…」
雨芽が小さく唸り声をあげる
その後、ゆっくりと長い睫毛を開く雨芽が見たものは自分を大の字に固定する金属器具と2人の男の姿であった
『…………嗚呼、フョードル・ドストエフスキー様にニコライ・ゴーゴリ様ですね?先程はお世話になりました』
「えぇ…貴女が青梅 雨芽さんですね?」
『…だったら何だと言いますか?』
「貴女は罪深き人…、粛清を与えましょう」
雨芽は辺りを確認する
電子機器で出来たような部屋によく分からない器具の数々、そして2人の座る机に椅子…机の上には紅茶と雨芽のナイフ。
そして雨芽自身を固定する少し高さのある台座と両手首、足首を固定する金属製の金具
とても雨芽の力で外すことは出来ないようだ
雨芽は更に瞳を動かし鍵を探す
「お探しのものはこれですか?」
そう言ってフョードルが雨芽の目の前に鍵をチラつかせる
『…いえ、雨芽さんは何処かと探しておりました故』
「面白い、実に面白いです」
そう言うとクスクスとフョードルは笑った
そして、雨芽は不意に気が付いた…
_自分は台座に固定されていないという事実に
フョードルはそれを知りながらも雨芽を試していたのだ
『何が目的です?』
「?嗚呼、それですか、罪のない世界を作るのです。異能者のいない世界を」
『…………フョードル・ドストエフスキー様、私は罪深き人なのでしょうね…。
ですが、そうであろうと私はうずまきを守ってから…意味のある死をしたい、ですので青梅雨芽を殺すのは諦めることを勧めます、どの道自分の意思で自分の命は断ち切るので』
「…!!嗚呼、実に面白い…。」
フョードルを暫く雨芽は注意深く眺めていたが、気が付かなかった事があった
フョードルは涙を流したままなのだと言うことと自分の頬の水滴に
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ミレー - ラムさん» いえいえ大丈夫ですよ(*^□^*) 此れからも楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月8日 10時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» ♯41に恐らくあります.......。更新の間が空いてしまい、読みづらくなっていてすみません、(リア友宛で頼まれた小説を書いてるもので) (2019年12月7日 8時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様最後に何を言ったのでしょうか?(。-∀-) 続き楽しみですv(・∀・*) (2019年12月7日 7時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - ラムさん» ありがとうございます(≧∇≦) 楽しみですσ(*´∀`*) (2019年11月22日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» まぁいとこですけどね笑笑 続きは更新しますよー (2019年11月21日 18時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:少女F(旧ラム) x他1人 | 作成日時:2019年7月8日 0時