５４１話【続編追記】 ページ50
私は四大陸選手権と世界選手権の代表に選ばれた。
四大陸選手権は初めての選出。
嬉しい反面、下手な演技は出来ないと気を引きしめる。
ゆづくんも小塚さんと町田さんと一緒に世界選手権の代表に選ばれて、ホッと一安心。
｢町田さん！｣
樹｢加賀美さん。どうしたの｣
｢世界選手権、頑張りましょうね！｣
町田さんは一瞬の間をおいて、フフッと笑って私の頭をポン、と撫でた。
｢……？｣
いつもの町田さんなら、何か一言言ってきそうなのに。
変なの、と思いながら、リンクでの代表発表のために会場へ移動する。
リンク上では代表に選ばれた選手が並んで、順番に挨拶をしていく。
去年は緊張しまくった挨拶だけど、私だって伊達に場数は踏んでないんだから。
しっかりと言いたいことを言えて、満足して町田さんにマイクを渡す。
までは良かったんだけど……。
樹｢私は、本日をもって現役を引退することを正式に発表させていただきます｣
突然の発表に会場からはどよめきが起きる。
悲鳴のような声や、泣きそうな顔をした人まで。
私も町田さんのいきなりの引退発表に、頭の中が真っ白になる。
そっか……だからさっき、頑張りましょう！って言ったときに、町田さんは何も言わなかったんだ。
じゃあ、町田さんと試合に出るのは、この大会が最後ってこと……？
代表発表が終わった後、みんなで一緒に、先にバックヤードに引き返していた町田さんのもとへ。
｢お疲れさま｣と言うみんなとハグをする町田さんが、私の目の前で止まった。
｢町田さん、いきなり過ぎます｣
驚かせてごめんね、と優しく微笑む町田さん。
もうこの優しさに触れる事が無くなるのかと思ったら、とても寂しい。
｢寂しいです。すっごく｣
言葉にしたら我慢していた涙が溢れてきた。
｢町田さんとはいろんな話をしたし、いろんなことを教えてもらいました……まだまだたくさんお話したかったのに｣
樹｢僕が加賀美さんに教えたのは、紅茶の淹れ方くらいだよ。それに、きっとアイスショーで会えるときがあるから。そんなに寂しがらなくても大丈夫。……でも、僕のためにそんなに泣いてくれて嬉しいよ。ありがとう｣
頑張れ、応援してるよ。
そう言って町田さんはそっとハグをしてくれた。
ポンポン、と叩かれた背中に優しさを感じて、また涙が出てきてしまった。
※※※※
続編公開しました！これからもお付き合いしていただけたら嬉しい
です！
氷上で煌めく太陽12
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優里奈(プロフ) - エミルさん» 嬉しいお言葉……ありがとうございます(*^^*)付き合いたてってこんな感じかなあ……？なんて考えながら二人を動かしてます(*>_<*) (2021年10月3日 6時) (
レス) @page21 id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 初々しい二人の好きが溢れていて、可愛いカップルですね！こちらも幸せな気持ちになります(*´ω｀*) (2021年10月2日 23時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー！ありがとうございます(≧∇≦)らっきさんの作品も楽しく読ませて頂いてますよ〜(*´ω`*)2人がくっつくまでの前置きが長すぎましたね(^ω^;) (2021年9月24日 22時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - こんばんは！いつも読んでます(*^^*)ついに、２人のお付き合いが始まりますね！更新頑張って下さい！ (2021年9月24日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 私も書いていてドキドキしてました〜！一途なゆづくんに春よ来い！ですね( *´艸`)頑張って続き書いて行きます(p`･ω･´q) (2021年9月23日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優里奈 | 作成日時：2021年9月23日 22時
