519話【結弦side】 ページ28
前日練習が終わって、今日はあと開会式を残すのみ。
エッジカバーを嵌めて汗を拭いていると、同じ時間で練習していた刑事が声をかけてきた。
刑事「お前は相変わらずゴシップ界にも大人気だな」
結弦「え?どういうことだよ」
突然そんなこと言われても、なんのことだかさっぱり分かんねぇ。
するとどこからか樹くんが現れて、事細かに説明してくれた。
結弦「四角関係って。なにそれウケる(笑)」
当たってるような、でもところどころ違うところもあって。
きっと、ていうか絶対想像で物を書いたな、この記者。なんて思ったりして。
刑事「で?真相はいかに?」
結弦「そんなの、いくら刑事でも言わないし」
刑事「なんでだよ」
結弦「刑事は信用なんないもん。情報が漏れて、尾ひれがついて面倒なことになったらヤダし」
刑事「俺ってそんなに信用されてね−の(笑)」
結弦「警戒するに越したことは無いよね」
刑事「じゃあ、加賀美さんに聞くわ」
結弦「はあ!?」
いきなりAちゃんの名前が出てきて、刑事のほうを思いっきり振り返る。
いやいや。
Aちゃんと話すとかダメだから。
って言いたくなったけどそこはグッと堪える。
色々ツッコまれたら面倒くさいし。
刑事「なんか問題ある?」
結弦「そういうことを女の子に聞くのって、デリカシーないやつだと思われるよ。第一、刑事はAちゃんと面識あったっけ?」
刑事「ない。アイスショーで何度か一緒だったけど、挨拶くらいしかしたことない」
結弦「そんなやつにいきなりゴシップネタ放り込まれたら、Aちゃん困るだろ。変なやつ認定されるぞ」
メンタル攻撃されて試合に影響出たらどうすんだよ、と言うと、刑事は「ふぅん……」とニヤニヤしながら一人でなにかに納得している様子。
結弦「どうかした?」
刑事「いや?結弦は加賀美さんのことが本当に大事なんだなって思っただけ」
結弦「そりゃあ、……可愛い妹がどこの馬の骨か分かんね−やつに絡まれたら、心配するでしょ」
あぶねぇ……!
『彼女なんだから当然だろ』って言うところだった……。
刑事「馬の骨って(笑)お前は加賀美さんの父親かよ」
まあ、なんでもいいけど。
そう言って刑事はまたな、と帰っていった。
なんなの……。
練習より、刑事とのやりとりのが疲れた……。
樹「ゆづ、我慢は体に毒だよ?」
結弦「……」
樹くんまで(笑)
でも樹くんなら、俺がなにも言わなくても今ので勘付いてそう。
233人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 嬉しいお言葉……ありがとうございます(*^^*)付き合いたてってこんな感じかなあ……?なんて考えながら二人を動かしてます(*>_<*) (2021年10月3日 6時) (レス) @page21 id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 初々しい二人の好きが溢れていて、可愛いカップルですね!こちらも幸せな気持ちになります(*´ω`*) (2021年10月2日 23時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー!ありがとうございます(≧∇≦)らっきさんの作品も楽しく読ませて頂いてますよ〜(*´ω`*)2人がくっつくまでの前置きが長すぎましたね(^ω^;) (2021年9月24日 22時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - こんばんは!いつも読んでます(*^^*)ついに、2人のお付き合いが始まりますね!更新頑張って下さい! (2021年9月24日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 私も書いていてドキドキしてました〜!一途なゆづくんに春よ来い!ですね( *´艸`)頑張って続き書いて行きます(p`・ω・´q) (2021年9月23日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月23日 22時