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44話【結弦side】 ページ46

雑誌やテレビのインタビューを終えて、ブライアンと一緒に女子のフリーを見に来た。

Aちゃんはショートで4位。
点数の差からすれば、フリーの出来次第でメダルもじゅうぶん狙える位置だ。


ブライアン「最近、女子の演技もよく見てるみたいだね。お気に入りの選手でもいるのかい?」

結弦「お気に入りって程じゃないけど……注目してる子がいるんだ」


ブライアンがどの子だい?って聞いてくるから、ちょうど6分間練習でリンクに入った最終グループから、Aちゃんを探す。


「あそこ……黒とシルバーの衣装の」


今リンクにいるAちゃんは、昨日の妖精みたいな可愛い雰囲気からは一変して、かっこよくて大人っぽい衣装だ。


ブライアン「あの子がユヅルのお気に入りなんだね。OK!僕も注目してみるよ」

結弦「や、だからお気に入りとかじゃなくて、」


って訂正するのも、楽しそうなブライアンを見てたらまあいっかって思った。


6分間練習が終わって、いよいよ最終グループの演技がスタート。

第一滑走のカナが終わり、明子さんの演技終盤。
リンクサイドにAちゃんの姿が見えた。

Aちゃんはリンクを見ることなく、自分の振り付けの最終確認をしているようだ。
あの様子からして、緊張はしてなさそう。
もともとあんまり緊張しないんだっけ?



いよいよAちゃんの出番。
リンク中央でポーズを取り、演技開始を待つ。


曲は『ベートーヴェン ピアノソナタ第17番「テンペスト」第3楽章』


静かに始まったピアノの旋律とともに、リンクを優雅に舞うAちゃん。
流れるような動き、曲調に合わせた表情の変化。
イーグルやスパイラルの安定感。

そして、トリプルアクセルの完成度。
スピンもステップも、フィンランディアで見たときより格段にレベルアップしてる。


あっという間の4分間だった。
最後のポーズを決めたあと、Aちゃんはガッツポーズを決めた。
会場からは今日一番の拍手と歓声。

前に「フリーで120点超えたい」って言ってたけど……これ、いくんじゃないか?


《加賀美Aさんの得点……》


その瞬間、会場がどよめいた。

モニターに映し出されたのは『126.78』
暫定一位のカナを僅差で上回ってトップに立った。


鳥肌が立った。
すげーもん見た。
隣にいるブライアンも、興奮しているみたい。



結弦「ブライアン、頼みがあるんだけどーーーーーー」


PBに感動してるAちゃんを見ながら、ブライアンに話しかけた。

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設定タグ:羽生結弦 , 宇野昌磨 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:優里奈 | 作成日時:2021年4月13日 22時

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