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4話 ページ5

迎えた全日本ジュニア選手権。
ショートプログラムは自己ベスト更新でトップに立った。

フリーのために練習してきた4回転は、確実に決めるために演技冒頭に持ってきた。
そこが決まれば、一気に波に乗って演技ができる。


コーチ「A、いつものように楽しんで」

「うん。4回転、ちゃーんと見ててね!」

コーチ「よし、いってこい!」


コーチにポン、と肩を叩かれ、リンク中央へと向かう。

スタートポジションに付いてポーズを取ると、曲が流れる。

一番最初に入れた4回転ジャンプ、イメージはバッチリだ。


いける……!



着地の瞬間、コーチが大きくガッツポーズをしているのが一瞬見えた。

手を付きそうになったけど、なんとか堪えて着氷成功。


よしっ。


もうそのあとは気持ちよく滑ったことした覚えてない。

楽しくてたまらない。

それが顔に出ていたのかな?


演技を終えてリンクサイドに戻ると、満面の笑みでコーチが迎えてくれた。


コーチ「A!よくやった!最高!」

「めっちゃ楽しかった!すっごく気持ちいい!」


4回転の成功とノーミスの演技を、コーチと抱き合って喜んだ。


結果は4回転トゥーループも成功と認められて、2位に20点近い差をつけて優勝!
表彰台の一番高いところに立つことができた。


そしてフィギュア委員会からの打診で、15歳に達していないけど全日本選手権への出場資格を得られることになった。

シニアの大会に出られる……!
日本のトップスケーターたちと同じリンクで滑れるなんて。


最後の全日本ジュニアは、最高の形で終えることができた。



ーーーーーーーーー

【昌磨side】


昌磨「加賀美、A……」


表彰台の一番上に上がった、同い年の女の子。

ノービスAの頃から結構表彰台にあがってて、なんとなく存在は知ってた。
その子がフリーで4回転決めて、マジかよーって思った。

俺と同い年ってことは、中2でしょ?


昌磨「負けてらんないなぁ」


表彰される笑顔の女の子をボーッと眺めながら、一言そうつぶやいた。

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設定タグ:羽生結弦 , 宇野昌磨 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:優里奈 | 作成日時:2021年4月13日 22時

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