氷上で煌めく太陽 (ページ36)

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３４話【結弦side】ページ36

真央｢カナとゆづは仲いいのか悪いのか分かんないね｣

結弦｢俺もよくわかんない(笑)｣

佳菜子｢あたしだって分かんないよ！でもカナ優しいから、ゆづのメッセージも読んであげる！｣

自分で自分のこと優しいっていう？
なんて言ったらまたカナがギャーギャー騒ぎそうだから、ここはおとなしく黙っとく。

『羽生選手は私のお手本であり目標であり、憧れです。演技のひとつひとつが人を惹きつけると思ってます。ロミオとジュリエット、楽しみにしています』

結弦｢……｣

大ちゃんが照れるのも、こづくんが感動するのもわかる気がした。
こんな風に言われて、喜ばないやつはいないよ。

佳菜子｢ねえ……Aちゃんって無意識に男を喜ばせる天才なのかな？｣

真央｢え？なんで？｣

佳菜子｢だってほら、男性陣みんな、顔がだらしないよ｣

結弦｢んなこと無いし。こういうこと言われて喜ばないほうがおかしいっしょ｣

大輔｢『羽生選手は私のお手本であり目標であり、憧れです』だって。いいなー、ゆづ！俺もそんなふうに言ってもらいたい｣

結弦｢ジャンプを手本にしてるっていうのは聞いてたけど、憧れって言われるとちょっと照れるね(笑)｣

崇彦｢ゆづの歳で憧れられるってすごいよな｣

結弦｢だよね。がっかりさせないように頑張らなきゃなー｣

佳菜子｢羽生選手はわたしの憧れなんですぅ！｣

いきなりカナがぶりっ子口調で言うものだから、嬉しい気持ちが一気に引いた。

佳菜子｢どお？嬉しい？｣

結弦｢変なもん見た……｣

佳菜子｢ちょっと！失礼じゃない！？｣

結弦｢カナに言われても嘘くさくて嬉しくないし｣

佳菜子｢もう！ゆづなんかお腹壊しちゃえ！｣

あー。
ほんとなんで連絡先交換しなかったのかなー。
このメッセージが俺にじゃなくて、カナの携帯に送られてきてるってのが悔しい。

だけど加賀美さんのメッセージは素直に嬉しかったな。
今日のフリー、頑張ろう。