【江戸川乱歩】何故か事務員の私が名探偵様に揶揄されている

お取り込み中 ページ26

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「お取り込み中でしたね。えっと失礼しました......？」


太宰さんは何事もなかったかのように、そろりと私の部屋を抜け出そうとする。


「そーそ。 ごめんね太宰ー！」


「いやいやいや！！ 太宰さん待ってくださいいいいいいい！！！！ このか弱い事務員が肉食名探偵に襲われているんですよ！？ 紳士な太宰さんなら助けてくれますよね！？」


ていうか、乱歩さんが云ってた"あと5秒"というのは太宰さんが来ることを見抜いての事だったのか......乱歩さん......恐ろしい。


「もーA。人聞きの悪いこと云わないでよね。」


と乱歩さんは云いながら、私の上からやっと退いてくれる。......助かった。否、でも太宰さんという目撃者がいるのだが。


「あ、Aさん大丈夫ですよ。別に探偵社の皆に言いふらしたりしないので......。」


「何が大丈夫なんですか！？ 太宰さん！？」


思いっきり勘違いしてるじゃないですか！！


「もー、太宰さんが勘違いしてるのは乱歩さんのせいですよ！？ 乱歩さんが誤解を解いてください！」


「え、太宰の何処が勘違いしてるの？」


ケロッとした表情で乱歩さんが私を見つめる。......うわ、また揶揄ってる......。


「それでは、私はもう行くので。Aさん、お大事に〜」


「太宰さん！？ 待ってくださいいい！！ せめて乱歩さんを引き取ってから帰ってください！！！」

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