水を向ける (ページ5)

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入り交じるページ5

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「羊さんこんばんは、待っ…と… 」

「こんばんは、今日はもう1人いまして」

＿＿＿この人が私の特別な人だ

心のどこかで確信した

初めて会ったはずなのに

どこかですれ違った気がする

貴方も思ってたりしないかな＿＿＿

『はじめまして人いちAと言います』

「中島卓也です」

「今日から少しの間、彼女には私の助手と代役を手伝ってもらおうと思ってます」

「中島さん大丈夫でしょうか？」

えっ、私そういう感じなの

しかも家政婦か…
栄養管理系の資格持ってるからいけるか

お見合いみたいな事でもするかと…

「あ、よかよか」

「上がって」

「お邪魔しますね」

『お邪魔します』

博多弁だ、少し懐かしいかも

「標準語の方が良いかな、あんまり俺の分からないっしょ」

大きな人だな靴も背中も全部大きい

…写真より何倍も格好良い

『いえ、おまかせします』

「んーやっぱり標準で話す」

「俺のことは卓って呼んで」

「よろしくねAちゃん」

『じゃあ卓さんって呼ばしてもらいます』

A…ちゃんか……

卓さんなんて呼んじゃって

照れた変な顔を隠すためには下を向くしかなかった

『えっ』

視線を落とすと卓さんの両手には松葉杖がある

左足には厚く包帯が巻かれていた

『卓さん、その足… 』

「あぁ、これ？ちょっとやっちゃった」

「 Aちゃん……もしかして俺のこと知らない？」

「ニュース出たよ」

彼は笑っているのに

どこか悲しそうなのは気のせい？

私には卓さんの目が少しだけ輝いて見えた

『野球選手ですよね』

『私その事しか知らなくて… 』

部屋へとつながる廊下が静まる

急に恥ずかしくなった

馴れ馴れしく接して

卓さんの事なんにも知らないのに

勝手に特別な人だと思い込んでいた

なんでここにいるんだろう

卓さんに

「じゃあ…… 」

何を言われるのか不安で

急に泣きそうで

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「俺のこと知ってよ」

「俺が全部教えるから」