水を向ける (ページ18)

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酔いページ18

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あれから私達は何かをすることもなければ、話すこともなかった

正直、気まづかった

気づけば朝になっていて隣の部屋には卓さんが多分まだ寝ているはず

さっきまで寝ていた布団を畳み、帰りの支度をしながら髪の毛を整える

そういえば、病院に行くから朝ご飯はいらないって言われたな

なんだか少しだけ悲しい

昨日のことを思いながら卓さんの部屋へと向かう

『おはようございます』

『卓さん、昨日はありがとうございました』

「...おはよーう...」

「玄関まで送ってくよ」

寝起きであろう、卓さんは大きな大きなあくびをしている

「次は朝ご飯作ってね...まだ怪我治らなさそうだし」

「あと、また電話して」

『はい、また来る時電話しますね』

靴を履きドアに手をかけた瞬間、

背中が急に暖かくなった

あ、この匂い

好きな匂い

抱かれるの二回目

『...た、卓さん』

本当にこの人には振り回される

私一人で、恥ずかしくなって話しかけれなくて、焦っちゃって

「…ごめん、なんかAがどっか行っちゃいそうだったから」

「お願い、少しだけこうさせて」

卓さんの匂いに酔っている自分

卓さんに後ろから抱かれている自分

あぁ、分からなくなってきた

私は何をしに此処へ来ているのだろう、と

貴方の為？

私の為？

私の何の為？

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私の体の何処かに育った小さな赤い花は、

まだ開花の仕方を知らない