水を向ける (ページ2)

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きっかけページ2

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『ここがひつじのみせ？』

私は先週見た記事を忘れられなかった

あの記事には

ーまずはひつじのみせに訪れてみる事ー

ー親切なひつじさんが貴方を待っていますー

『こんなお店近くにあったんだ』

ついこの間まで新地だったはずなのに

とりあえず1回、行ってみよ

し、深呼吸してから…

ひつじのみせのドアに手をかけた

カランカラン～

『こ、こんちにはー… 』

あれ、誰もいないのかな

店内は暗くてよく見えなかった

「いらっしゃいませ、お一人様ですか？」

『ひ、ひとりです！』

うわあ、びっくりした

どこから現れたのか全く分からない

「はいでは、こちらにどうぞ」

案内されたのはカウンター

それにしても誰かいるという雰囲気はなかった

なんか怖い

椅子に座って、どうしようかと悩んでいた時

『ぎゃぁぁあ！』

私の真ん前の暗闇の中には羊の顔があった

「おっと、驚かしてしまいすみません」

「恥ずかしがり屋でマスクを被っていまして」

「お客様程、驚かれた方は初めてです」

言いながら羊は笑っている

『 …あ、あの！ここに訪れれば特別な人に会えると聞いて来たのですが… 』

もう、当たって砕けよだ

「そうですか」

「あなたのような方は久しぶりですね」

『 ……え？』

私が何？

何を言われているのか理解できない

「いえ、なんでもありません」

「では貴方の〝特別な人〟を決めましょうか」