俺らの綺麗なお姫様（×in）

救いの手 hk×in ページ9

side in




「お前、なかなか良かったよ。」


男のくせにな。



ニヤッと気持ち悪く笑うおっさんは、金と一緒に俺を路地裏へと捨てた。



これで、何人目だろう。
勝手に人の身体使って快感求めてるくせに用が済んだら金と一緒に捨ててくとか。


金を払ってくれる奴はまだマシだ。

雑な扱いをしたくせに金も払わずさよならとか。
こっちは好きで抱かれてるんじゃないんだから。お前らの好きなようにさせてやってるんだから。金くらい払って当然じゃないか。



「、路地裏に捨てんのやめろよって…。」


せめて泊めてくれればいいじゃない。なんならホテル行けばいいじゃん。汚いおっさんと2人きりは嫌だけど、こんな薄暗い路地裏に1人捨てられるよりはいい。室内で眠れるのなら全然いい。



痛む腰をさすりながら立ち上がり、道路に出ると、人の気配は全く無かった。


歩くたびに痛む腰。
こんなんじゃ数メートルさえも歩ける気がしない。



「…い"っっ！！」



そんな嫌な予感は見事に的中し、ついには倒れ込んでしまった。


「…、おれの、バカ…っ！」


こんな人気のないところで倒れていたって誰も助けてくれやしない。
ましてやまた気持ち悪い奴に捕まって抱かれてしまうかもしれない。



「…も、……死にたい、」



左手の金を、強く握りしめた。




…その時。




「…あの、…大丈夫、ですか…？」



若い、男の声が聞こえた。

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