ノスタルジック (ページ8)

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#8 -four yeas ago- ページ8

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こういうとき、いつもより仕事がうまくいく。神様からの慈善？よくわからないけど、嬉しくない。

朝、全て自分の手で壊してしまった。

一日中その事を考えて、泣きそうになった。私が悪いのかな、言わなかったせい？だからこんなに拗れたの？

家に帰る気にはなれなくて。でも今の私には、帰る場所はあの家しかなくて。

今日も優吾は帰ってこないかもしれないって僅かな希望に期待しながら、重い足取りで帰路についた。

「ただいま」

「おかえり。」

「え、っ…」

いつも返ってくるはずのない"おかえり"の言葉。

なんで、なんでさ、

「ちょっと来て。」

「…」

黙ってついていくと、ダイニングのテーブルには華やかな食事。

優吾が全部作ったんだろう。

「朝は無神経なこと言ってごめん。俺が悪かった。」

「…」

「だからさ、ちゃんと仲直りしよう。」

持っていた仕事用のカバンを、思わず投げつけた。

鈍い音がして、朝のように優吾が目を大きく見開く。

なにそれ。

私が溜め込んでいたのは、今朝のことだけだと思ってるの？私が抱えてるもの、その程度だと思って、丸め込もうとしてる？

お詫びの手料理なんて、何も嬉しくない。

「そんなの、いらない。」

「…え？」

「こんなの、何も嬉しくない！！」

「え、ちょっと、A？」

「信じらんない…」

引き止める声を無視して、自室に籠もった。

正直もう、終わりにしてもいいと思った。

その日は朝が来るまで、ずっと一人で泣いていた。

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