#24 ページ24
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「あのさA、」
「なあに。」
「俺ね、今日は謝罪しに来たけど、もう一つ言いたいことあってきたんだ。」
「…？」
さっきとはまた違った真剣な顔をして、私を真っ直ぐ見つめる優吾。
すっかり止まった涙、私も真っ直ぐ優吾を見つめる。
「ジェシーに聞いたんだ。Aも彼氏いないって。」
「…」
「だからね、もう一度頑張らせてほしい。」
…なんとなく分かっていた。
でも、私はまた、なんて考えてない。
もう傷つきたくないのが本音、だから好きだけどやり直そうとはしていない。
「優吾、ごめん私、」
「分かってる。
さんざん傷つけておいて、すぐ付き合ってほしいなんて虫のいいことは言いたくない。」
「うん、」
「だから、俺はチャンスがほしい。」
「…」
「Aの時間がほしい。
もう一度頑張って、Aに好きになってもらいたい」
「でも、」
でも、わたしはそんなことしたくない。
そんな罪滅しみたいなことしてほしくない。
だってわたしはもう別に怒っていない。
だから、優吾は私なんか忘れて前向いて、素敵な女の子と出会ってほしい。そんなの嫌だけど、でもそれが私にとっての罪滅ぼしで。
そんな事を考えている私の顔を見て、全てわかったように優吾は微笑んだ。
「謝罪とか、そういうのだけでやりたいんじゃない。
俺は、Aが好きだから、もう一度やり直したいんだ。」
「…っ、」
「好き、大好き、でもまだ、その答えはいらない。」
２ヶ月後に答えがほしい。それまで頑張る。
そう言われた６月１日。
私はその想いが嬉しくて、さっきまでの覚悟なんて忘れて、思わず頷いてしまった。
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作者名：飴宮
| 作成日時：2022年5月12日 18時
