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#16 ページ16
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「田中…」
ジェシーくんが言いたいことはなんとなく分かっちゃったんだ。
だから、タイミングよく入ってきてくれた田中に感謝している自分もいた。
これ以上、過去を思い返したくない。
たとえ優吾が、私のことをまだ想っていてくれているとしても。
「帰ってこないと思ったら。ったく、お前は飲み過ぎ。帰るぞ」
「う、うん、」
私の腕を強引に引っ張って、ジェシーくんに会釈をする田中。
そしてジェシーくんは、目をまんまるにして私達2人を見ている。
「じゃ、じゃあね、ジェシーくん！」
「え、Aちゃん、」
「ごめん同僚と飲みに来てたの！じゃあ！」
わざわざ"同僚"なんて言っちゃって、何を伝えたかったんだ私は。
彼氏いないアピール？それじゃ私が未練タラタラみたいじゃん。…何も間違ってないけど。
なんてぐるぐる考えてたら、目の前にはジェシーくんがいなくなってて、いつの間にか店の外にいた。
田中に引っ張られてここまで来たみたい。
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作者名：飴宮
| 作成日時：2022年5月12日 18時
