桜が降る夜は３ (ページ26)

今日:1 hit、昨日:37 hit、合計:175,644 hit

#126 ページ26

.

「Aちゃんのクラスだよ。くる？」

『すぐ行く！』

「おっけー、待ってるねぇ」

呆然としている私を向く京本くん。

満足そうな顔をして電話を切って、私に言った。

「Aちゃん、ちゃんと話したほうがいいよ。」

「でも、私、」

「大丈夫、樹もきっと話したいことがあるはずだから。」

振られたくなくて逃げた私に、樹の話なんか聞ける？でもここにいる皆がその方がいいって顔してる。

すると、高地くんが思い出話をするように話し出した。

「樹はさ、いっつもAちゃんの話ばっかりでね笑」

「え…」

「樹はAちゃんの事が大好きなんだよ。
Aちゃんが心配しているようなことはなんにもないから、安心して行ってきな。」

今度は彩ちゃんが、私の目を見てちょっと笑って。

その表情はどこか申し訳無さそうな顔をしていて、苦しそうだった。

「私が樹くんと付き合ったのにも色々あって。
でもそれは私の口からは言えないから、だからちゃんと樹くんに聞いて。」

「…」

「私が二人の仲を拗らせちゃったのは分かってる。だからこそ、二人は幸せになってほしいから。」

.