桜が降る夜は３ (ページ17)

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「A、頑張れ。応援してる。」

「うん、ありがとう。」

これで夏未と同じ学校に行くことも最後なわけで。さっきまでふざけてはいたけど、なんだかんだお互い寂しかったりもする。

1年の頃からずっと同じクラスで、ずっと一緒にいて、放課後もテストも一緒に過ごした。

「やばい、泣きそう」

「やめてつられる。」

ふたりして涙ぐんでいたら、後ろから肩を叩かれた。

振り返ると、いつもより華やかな髪型をした彩ちゃんがいつもどおりの可愛らしい顔でこっちを向いていた。

彼女の存在に気がついた夏未は、私と仲良くなったことを知っていたとはいえ、顔をしかめて。

「…なんなの。」

「あなたこそなんなの。私は恋する乙女な可愛いAちゃんを応援しに来たの。」

「A、こいつにも話したの！？」

…だって、しつこく聞かれたから。

「私はふられたの！Aちゃんと結ばれてくれなくちゃ、次に行けない！」なんて、もう新しい彼氏できそうなくせに。

「Aちゃん、応援してる！」

「A、私のほうが応援してるから！」

「あ、ありがとう…」

お互いを押し合いながら応援されて、ちょっと気持ちが混乱中だけど…笑

取り敢えず二人共私を応援してくれていて、それでいてとっても良い子。大好きな子。

「ありがとう、行ってくる。」と言って、私は相変わらず女の子に囲まれている樹の教室の方へ向かった。

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