桜が降る夜は３ (ページ12)

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「誤解…？」

「ちゃんと話せばいいよ。」

もう俺は用済みかあ…と嘆くような声が聞こえてくる。

先輩はそれ以上何も言わないから、何のことを言っているのか何もわからないまま分かったふりをした。

「でもそっか。また同じ学校通えるんだね。」

…話は戻ったらしい。

あまりに嬉しそうな声を出すから、私ももうなんでもいいやって思えてきた。

私も、言わないけど嬉しかったりする。

毎週金曜日の先輩との当番は物凄く楽しかったし、年上だからまた自分とは違う考えた方も新しくて。

「慣れてきたら俺とも会ってね。」

「勿論です。因みにピアスつけてますよ。」

「えー嬉しい。俺も毎日つけてる。」

それから他愛もない雑談して、また電話しようね会おうねって約束までして、電話を切った。

ふと、ベッドサイドテーブルに視線を向ける。

そこには、樹と私の幼い頃の写真が入っている写真立てがあって。きっと、保育園のときとか小学校のときとかのやつ。

一人暮らしの準備のために部屋を片付けていたら、出てきた写真。

飾っているのはこの家にいるときまでだけだから、それは許してほしい。

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