#6 ページ6
.
「A帰るぞー」
やっと放課後になった。いつもどおり、樹が私のクラスに入ってやってくる。…本当にやめてほしい。
あなたは有名で、同じくらいモテる彩ちゃんって女の子と付き合ってるんだから。それが瞬く間に校内全体に知れ渡っていること、分かっているでしょ?
私が色々言われちゃうから。面倒なこと嫌いだし。
「…A、私と一緒に寄る所あるから。」
夏未が、助け舟を出してくれた。ありがとう、と視線を送りながら、樹に「そういうことだから、先帰ってて。」って伝えた。
ちょっと不満そうな顔をした樹は、「そ。」ってそれだけ言って帰っていった。
いなくなった途端、ちょっと怒った顔になった夏未。
「何考えてんだろうね、あいつ。」
「さあ、」
「自分が彼女いるってこと分かってる?」
「それはさすがに分かってるでしょ笑」
でも、ほんとに思う。
彼女の彩ちゃんだって、傷つくよね。周り公認の幼馴染とはいえ、私だって一応女子なんだし。
私が同じ立場だったら、彼氏と仲のいい女の子がいたらちょっと嫌。
「Aもさ、絶対田中離れしたほうがいいよ」
「…分かってる。」
「こんなことほんとは言いたくないけどさ、もう田中には彼女がいるんだし。怒らせたらまずいでしょ、その彼女ちゃんは。」
分かってる。分かってるんだけど、苦しい。
.
1299人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飴宮(プロフ) - akikumaさん» コメントありがとうございます♡ 楽しみにしててください!🎶 (2022年8月26日 19時) (レス) id: 4bf5f0e073 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - どんな変化が起きるのか…気になる!気になる!続編楽しみにしてます!! (2022年8月26日 18時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:飴宮 | 作成日時:2022年8月15日 17時