#2 ページ2
.
誰と誰が付き合ったらしいとか、誰が誰のことを好きらしいとか、そんなゴシップも貴方の名前が出てこなければどうでもいい。
でもこれから、もし貴方の名前が出てくるようなことがあったら、もうそれは驚くほど落ち込むと思う。
「樹はさ、何で彼女作らないの？」
「え、何急に。」
「んー、なんとなく。」
女の子皆に優しくて、たくさん告白されていて、人気があって、見た目はいかにもチャラそうで。
そんな人なのに、彼女が今までいたことがない。私はそれが不思議で仕方がない。
忘れられない人がいるとか？それとも、あの綺麗な親戚のお姉さんのこと本気で好きになっちゃったの？
…そんなのどうでもいいから、私のこと好きになんないかな。
「…内緒。」
「え、」
「Aには教えなーい」
「さ、帰ろ。」と立ち上がった樹は、私の腕を力強く引っ張って、私を立たせた。
いつのまにか背中についてた芝も、慣れたようにはたいて取ってくれる。
「教えてよ、樹。」
「んは、そんなに知りたいの？」
「…そりゃ、幼馴染だから。」
「幼馴染だから、教えない。」
なにそれ。
あーあ、私はもう妹みたいな存在でしかないってか。そんなの脈もクソもないじゃんか。
泣きそうになってるのがバレたくなくて、「あっそ、」ってちょっと不機嫌な声を出して、走った。「転ぶぞ、ゆっくり行けよ！！」って後ろから聞こえる声。
全部全部苦しくて、嫌になる。
スポーツ万能な樹には走りは敵わないし、すぐに追いつかれるのは分かってる。
けど、ほんの少しだけ、意地を張っていたかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1305人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飴宮(プロフ) - akikumaさん» コメントありがとうございます♡ 楽しみにしててください！🎶 (2022年8月26日 19時) (
レス) id: 4bf5f0e073 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - どんな変化が起きるのか…気になる！気になる！続編楽しみにしてます！！ (2022年8月26日 18時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：飴宮
| 作成日時：2022年8月15日 17時
