嫌 い に な れ た ら 楽 な の に 、

#14 -one year ago- ページ14

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『好きです、付き合ってください』


『……ありがとう。』









大我くんと同じ高校に行くと決めてからすぐ、学年でもかっこいいと噂されているサッカー部の子に、校舎裏で告白された。


正直、男の子から告白されるのはこれが初めてなわけじゃなかった。


恋愛に興味がなかった私は、それだけの理由ですべて断ってきていたんだけど。




そもそもその子と話したことがあるわけではなかったから、いつものように断るつもりだった。


今回は、いつもどおりの恋愛に興味がないという理由で断るわけではなかった。




でも、それ以外の理由がはっきりしているわけではない。


ただ、告白された瞬間、大我くんの顔が頭に浮かんだの。あ、これ断らなきゃって、すぐに思った。









『でも、ごめんなさい』


『理由、聞いてもいい？』


『…分からないけど、好きなんだと思う。』


『え？』


『今、頭に思い浮かぶ人がいて。その人のことが、多分好きなの。』









自分でも驚いた。訳の分からないことを言ってるのは、私が一番よく分かってる。


でも、それがしっくりきたんだ。


初めてだった。こんな風に人を想うことができたのは。









『なにそれ、じゃあ好きなんじゃないの？笑』


『うーん。そうなのかな』


『…そうだよきっと。てか、そう言い切ってよ。じゃないと俺、諦めつかないでしょ。』


『そうだよね、うん、私はその人のことが好き。なので、ごめんなさい。』


『分かったよ。悔しいけど応援してる、頑張って』









今思えばその人はとてつもなく良い人で。


"好きにさせてくれてありがとう"なんて言葉まで、私にくれたんだ。




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