Whereabouts (ページ12)

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ジェシーside

何度観ても、樹の服の下の傷には慣れない。

北斗もそれを目にしてすぐにわかったみたいだった。

北「よし！今日はこれでおしまい！樹くん、頑張ったね！」

樹(ﾆｺｯ

北「じゃあ、湿布と固定する包帯を出しとくね。声の方は、心因性失声症だよ。」

ジ「心因性失声症？」

樹(？？

北「樹くんには難しいかも。簡単に言うと、精神的に過度なストレスを受けたときとかに、本能的に身を守ろうとして起こる病気だよ。」

ジ「あ……」

北「そう。そのせいだと思う。」

虐待のせいってことだ。

ジ「治る…の？」

北「直接的だ治療法はあまりないの。でも治るよ。それは確か。これは身体が身を守ろうとして起こる病気だから、逆に言うと、安心出来る環境だと分かったら出るようになるよ。」

ジ「そっか、」

北「とりあえず！樹くん、今からここの痛いところを治してくれるやつ貼るからね？」

樹(ｺｸっ

樹はこれ以上ないってほどに聞き分けがいい。
どこまでも素直で、可愛い。

樹は痛いのが治ると聞いて、嬉しそうに湿布を貼ってもらって、包帯を巻いてもらった。

湿布が少し冷たくて、声が出ないのにまるできゃはきゃは言ってるみたいにおれに笑いかけてきた。