ちょっぴりドSな狼さん。 ページ1
『や、やっぱり無理っ。』
｢うるせえ、いいからさっさと上を向け｣
ぶんぶんと頭を振る私の顔は、きっと真っ赤になって居ると思う。
私はまだキスをした事がなくて、ファーストキスはいつか晃牙くんに捧げるねっ。と先程勇気を出して言ってみたところ。
今すぐ捧げてくれと要求されているのだ。
『やっぱりこういうのは特別な日にした方がいいっていうか！成り行きに任せてするのは良くないと思うっ』
｢まあ確かにそうかもしんねーけど…特別な日が来る前に誰かに奪われちまうかもしんねーだろっ！｣
『誰に奪われるのさ！』
｢お前の事好きなやつに無理やりされるかもしんねーし、事故チュー、とかもあるかもじゃんよ｣
うう…こういう時だけ晃牙くんの想像力が豊かなのは何故なのか。
第一、私の事なんて好きな人は居ないだろうし、事故チュー とかも少女漫画じゃないんだからありえない。
｢ああ、もうっ。さっさと上向け！さもないと…｣
晃牙くんは遂に痺れを切らしたようで、私のことをベッドに押し倒し その上にのしかかってきた。
｢押し倒すぞ｣
『ーーーーーーっ！？
やってから言わないでようっ！』
晃牙くんの胸を押して逃げようとするけれど、ビクともしない。
こういう時、晃牙くんは男の子なんだなあと実感して ドキドキしてしまう。
というか、押し倒された時点でドキドキMAXなんですけどっ！
『晃牙くん、この体勢すごーく恥ずかしいから離してっ！』
｢んだよ、だったらさっさとキスさせろよ。
それとも
別のところにキスして欲しいか？｣
晃牙くんはニヤリと妖しげな笑みを浮かべると、私の首元にそっとキスをした。
『のわあああっ！！！！！』
もう、だめです。ドキドキメーターが壊れてしまって、私は必死に許しを乞うた。
『うう…もう勘弁してください。』
｢わりぃ、やりすぎたな。顔 タコみてえになってる｣
限界を超えた私を見て、晃牙くんはゆっくり頭を撫でてくれた。
その後無事に、2人の交際記念日という特別な日にファーストキスを捧げることが出来たのは また別のお話。
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さぁ - えー、私も作者さんと同じく晃牙君が最推しなんですよね、はい☆特に俺様の← 甘えてくる晃牙君も押し倒してきてる晃牙君も好き...。一気に読んじゃった。凄く面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2021年6月14日 14時) (
レス) id: fd66046518 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るこな | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/dokkin_muchu
作成日時：2021年6月3日 17時
