拾陸 ページ17
Aside
《前のような痛みが起こった。心臓がドクドクと波打つ度にその痛みは増していく。》
《呼吸をするのが苦しく困難で、ﾋｭｯという短い間を継ぐようにするしかなかった。》
《痛みで身体を支えることがままならず、地面に手を着く白蓮の異常を察した狗巻がすかさず駆け寄る》
棘「おかか…！？」
《その様子を発見したパンダがまた、駆け寄った。》
パ「どうしたA？熱中症か？」
棘「ツナ、おかか。」
パ「いきなり苦しみだした…呼吸が苦しそうだな、恵を呼んできて。」
棘「しゃけ。」
───────────
棘「こんぶ！」
恵「狗巻先輩、どうしたんですか。───えっ、Aが…！？すぐ行きます。」
《白蓮は口に手を当てていたが、その隙間からポタポタと赤い液体が地面に滴っていた。》
恵「血…っ…？！おいA、大丈夫か！」
《小さく頷くその姿に伏黒は焦りと動揺を隠しきれなかった。》
恵「パンダ先輩、狗巻先輩有難う御座います、後は俺が家入さんの所まで連れて行って…」
《そう言いかける伏黒に対し、白蓮は首を振って拒否した。》
恵「行かなきゃ原因も分かんねぇだろ…！」
『げ、んいん分かる、大丈夫。』
恵「分かるって…」
《口元が歪みながら笑っている白蓮の瞳は包帯に隠れていてはっきりとした表情が掴めなかった。》
恵「……っ、分かった。でも、今日は休め。俺が部屋まで連れて行くから。」
『パンダ、さん、狗巻さん、すみません』
パ「いや、気にすることじゃない。疲労が祟ってるのもあるだろうからね。」
棘「しゃけしゃけ。」
《伏黒は白蓮を抱き抱え、移動した。》
『歩、ける』
恵「いいから、ちょっと休んでろ。」
『………うん。』
《白蓮の体は呪いに蝕まれ始めていた》
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作者名：黒凛蝶 | 作成日時：2020年11月22日 0時
