【d!】Smile for me.【長編小説】

39話　side 0 ページ41

「そういや、今日から皆揃うなあ」

「あ、そうだね！お土産話聞けるかな？」

「楽しみやな」


今日から先輩方が修学旅行から帰ってきていつも通りの生活に戻る

1年生だけの3日間も楽しかったけど、先輩がいないのはやっぱり物足りないと実感した


「部活楽しみだな〜」

「せやなあ、」


そんな話をしていた時だった


「伊勢川さーん！2年の先輩来てるよ〜」

「あ、はい､､？...コネシマさん！」


クラスの女の子に呼ばれて行ってみると、コネシマさんがいた


「修学旅行先でな、色々見て回ってんけどさ。他の奴とは別にこれお土産やから、内緒やで！」


小声で耳打ちするように言って、紙袋を差し出す


「いいんですか？わざわざ私のために､､」

「ええってええって！他の奴は中学から一緒やから今さら何もいらんわ、俺のセンスやから保証出来へんけど貰ってや」

「じゃあ､､ありがたく頂きます」


袋を受け取ると「じゃあな！」と嬉しそうに笑ってコネシマさんは廊下を歩いて行った

内緒やで、って言われてもゾム君隣の席なんだよな､､､

チラッと袋の中身を見てみると、美味しそうなお菓子が入っていた


私甘い物好きなんだよね、嬉しいなあ


コネシマさんがこんな事をしてくれるとは思ってなかったから驚いたけど凄く嬉しかった


「あれ、それどうしたん？」

「これね、コネシマさんに貰ったの。私の分だけ別に買ってきてくれたみたいで､､何か悪いことしちゃったな」


席に戻ると案の定ゾム君に言われた

気付かれないほうが凄いけど


「まあ、シッマの気持ちなんやからそんな事思わんでええんちゃう？きっと唯一の女の子やから特別なんよ」

「そ、そうなのかな？今度何かお返ししないとね」


私だけが特別なのかはわからないけど、そうやって接してもらうのは本当に嬉しい

いつも良くされてばっかりだな

何かのタイミングでこれまでの感謝を伝えられたらいいんだけど､､


思いがけない出来事でとても温かい気持ちになれた


大切に机の横にかけておいて、お返しのことを考えた

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