【ヒプマイ】森で拾った緘黙少年【男主】

#20 ページ22

銃兎 side





あれから約一時間…






理鶯はずっとボーっとしながらセイの隣に座っている






何を考えているのかは…おそらくセイのことでしょう





つまり理鶯は一時間ずっと同じ体勢でいるということだ








声をかけても聞こえていない様ですし、、、






当のセイは理鶯のそばから離れない






本当にピタッーとくっついて先ほど使った紙に絵を描いている様だ








一方左馬刻はずっと自分の携帯とにらめっこをしている





そう、一時間ずっとだ






山田一郎にどの様に電話をかけるかずっと迷っているのだ






まったく、大の大人が情けない…





今左馬刻に声をかけたら殴られそうですし…やめておきましょう







さてと、私は先ほど得たセイの情報でもまとめましょうか







まず、からだの傷について





セイ自身は自分でやったと言っていましたが、





おそらく左馬刻の予想通り虐待を受けてできた傷でしょう







虐待を受けた子が自分でやったと証言する例はなくはない








それかセイは虐待されるのが“普通”だと思っていたのではないか…？









あるいはそう教わったのかもしれない








きっとセイは生まれた時から虐待を受けていたのだろう






セイのからだには新しい傷以外に消えかかっている傷も多々あった






だが、それだと少し疑問が浮かぶ






なぜセイは読み書きができるんだ…？






普通の7歳なら幼稚園や小学校で読み書きを学んでいるはずだが






セイには戸籍がない





セイに関する情報は一切分からない







学校に行っていたのかも不明だ








だとしたら両親に教わったのか？





…よく分からなくなってきた

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