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目の前でパチパチと音をさせてて。
気になりながらも、他のおかずを先に食べ始めた。
有岡「何?これ」
A「えっと、キュウリとワカメのナムル、肉じゃが、具沢山みそ汁。
有岡が、和風とか言うから、合わないかもだけど肉じゃが作ってみた」
有岡「おぉ、すげーじゃん。
あ、美味い。
ナムルも美味いし、みそ汁だな、問題は」
A「問題って何よ」
有岡「えっ!ブロッコリー」
A「あんま好きじゃないよね、きっと。
一つしか入れてないって。
あとは普通でしょ?
えのき、豆腐、ニンジン、長ネギ」
急に立ち上がって、何をするかと思ったら、冷蔵庫から二本目のビールをだしている。
有岡「Aは?」
A「私は、いい。
ビールで流し込もうとしてる?」
有岡「ちげーわ」
A「ねえ、時間的にそろそろかな」
そう言うと、ビールを開けひと口飲んでから、ホットプレートのふたをそーっと開けている。
煙と匂いが中から出てきて、水がほぼ飛んでいるのが確認できた。
フライ返しで、一つひっくり返していて
有岡「もう少し焼き目があったほうがいいよな」
A「うん!
ご飯、いらない?」
有岡「よそって!」
A「うん」
なんだか楽しみで。
分担作業も手際よく出来た。
ホットプレートのスイッチを「保温」に移動させ、
有岡「よし、食おう」
A「ねえ、熱いの苦手なんだから、切っちゃっていいよ。
そんなすぐ冷めないでしょ?」
嬉しそうに「うん」って言って、スイッチを切った。
有岡は、また必要以上にフーフーと冷ましているから、お先に口に運ぶ事にした。
A「ふふっ、美味しい!」
有岡「あっち、れも、うまい…」
皮が破れてるのは中身が出ちゃってるし、ヒダがくっついてないのは開いちゃってるし。
完璧じゃないとこが、残念だけど、忘れられない思い出にはなったと思うな。
A「あー、写真か動画撮るんだったなー」
残り三つしかないホットプレートを見て、急に思った。
有岡「よし、撮ろうよ」
餃子を箸でつまんで、大きな口を開けてる私達の写真を撮った。
全然誕生会の雰囲気ないけど、それでも私達らしいと思えた。
有岡「すげー腹いっぱい」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年6月20日 23時