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有岡「あ、そっか。

  じゃあ、包むだけか。

  あのさ、ホットプレートある?」






A「え、ないよ」






有岡「焼きながら、食おうよ。

  ちょっと持ってくる」





A「持ってるの?」





有岡「うん」





A「土鍋もビックリしたけど、料理しないのに持ってるんだね」





有岡「焼肉だったら、出来そうかなって。

  待ってて」





ゆっくり立ち上がると、後頭部に可愛い寝癖が出来ていた。

まあ、誰にも会わないだろうから、そのままでいいか、可愛いし。





大きめのボールに、材料と調味料を入れた。

手でコネコネするのは、ちょっとためらわれる。

すぐに玄関のドアが閉まる音がして、有岡が現れた。





A「箱ごと」





有岡「今日初めて使うから」





そう言って、ダイニングテーブルの真ん中に、箱から出したホットプレートを置いた。




A「えー、なんか楽しそう」





有岡「だろ?」





そこから、有岡がコネコネしてくれて、二人で皮に包み始めた。

中身が出ちゃったとか、皮が切れちゃったとか、ヒダが上手くいかないとか、大騒ぎをしながら作った。

一袋24枚入りの皮だったから、上手くなり始めた頃には、もう皮がなくなっていた。





A「なんとか出来たね」





有岡「皮と中身が、丁度なくなるのってすげえんだってよ。

  さっき調べてたら書いてあった」





A「そうなんだ」





ソファーでゲームしてるのかと思ってた。

私が、気が重いのを知ってて調べてくれたんだよね。

そして褒めてくれている。

有岡の誕生日なのに、そういう優しいとこがやっぱり嬉しい。





ご飯が炊ける音が鳴った。

ホットプレートも徐々に温度が上がってきている。

他のおかずを並べて、冷蔵庫からビールを二本出してきた。





有岡「よし、始めよう」





A「うん、えっと、ちょっと早いけど、お誕生日おめでとうございます!

  これからもよろしくね」





有岡「ふっ、はい、乾杯!」





待ちきれないとばかりに、自分で乾杯って言っちゃってる。

缶ビールでそのまま乾杯をして、一口飲んだら、ホットプレートが設定温度になった事を知らせた。





有岡「油、危ないから、俺やるよ」





A「あ、うん」





油をひいて、餃子をキレイに並べてくれて。

水を入れて蓋をするとこまで、全部やってくれた。





有岡「少しこのままだろ」




A「うん」

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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年6月20日 23時

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