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Yuta
電車で帰ろうとしている。
玉森「お願い。
今日は、ちゃんと家まで送らせて。
まあまあ遅くなってるし。
お願いします……」
口をムニューって変な形にして困ってる。
A「分かった」
仕方なくという顔をしている。
車に着くと、「こっちでいいよ」なんて後部座席のドアを開けようとするから。
玉森「ホント、寝てていいから助手席に座って」
久し振りに助手席のドアを開け、Aの背中を押した。
渋々乗ってくれたけど。
シートベルトをした後
A「なんか音楽流して」
覚えてるか分からないけど、高校一年の誕生日にあげた、ミスチルのCDを流した。
俺も同じのを買ってたから。
車を出し、ほんの数メートルの所で、すでに目をつぶって寝ていた。
カーステレオの音量を少し下げた。
約四年間、助手席のAは、一度も寝た事はなくて。
寝てていいよって言っても、うとうとしながらも、頑張って起きててくれた。
やっぱりフラれたんだよなって実感して。
赤信号で顔を覗き込むと、一粒の涙が、両方の目からツーッて落ちてきた。
泣いてる?
寝てない?
気付かないふりをして、胸がギューッて痛くなりながら家に向かった。
・
玉森「着いたよ」
一発で目を開け、慌ててシートベルトを外している。
A「裕太くん、ありがとね」
何度も、この上目遣いが可愛いって思って。
何度も、ありがとって言ってくれたね。
言葉にする事が出来なくて、思わず肩をつかみ、キスをしてしまった。
A「やっ」
俺の胸の辺りを押し、怯えている。
A「大貴が見てる……」
大貴って呼んだ。
で、ビックリして正面を見ると、本当に幼馴染が見ていた。
これって、さっきの高校二年の魔法の続き?
玉森「ご、ごめん……」
A「私の連絡先を知らないから、ああやって待ってるしかなくて。
おばさんとか、お母さんに聞けば、すぐ連絡先なんて分かるのに、変に意地張っちゃって。
じゃあね、おやすみなさい」
ダッフィーをギュッてつかんだまま車から降りて。
ビックリする事に、幼馴染の首に腕を回し抱きついている。
幼馴染に、手で「行けよ」って合図をされ、仕方なく車を出した。
・
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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月12日 17時