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39 Yuta ページ39

Yuta



二人同時に声の方を見た。


やっぱり隣の幼馴染だった。

薄暗い街灯の下でも分かるほど、鼻の頭を真っ赤にして、ずっと待ってましたみたいな顔をしている。

Aはうろたえてたから、俺がちゃんと伝えた。




玉森「別にそんなんじゃないけど?」





有岡「そっ…」





上着のすそを引っ張られたので、Aの方を見ると、怯えた目で俺を見ていた。






A「ねえ、私が家の中に入るまで、ここにいて」





多分、幼馴染にも聞こえた。





玉森「うん…」





慌てていつもの所に自転車を停め、玄関の前に立った。

俺があげたカエルの入った紙袋を胸の前で抱きしめ、こっちに小さく手を振って、鍵を開けて中に入って行った。

それを二人で見守り、そして二人だけになった。





幼馴染がいなくなったら、帰ろうって思って。

自転車にまたがって、スマホを開いた。






有岡「帰らねえの?」




玉森「うん」





Aが気がついてたかは分からないけど、幼馴染は小さな紙袋を持ってたから。

だから、Aに近づかないように、立ちふさがった。





有岡「はーっ、もうお前のもんじゃねえだろ」





玉森「お前のもんでも、ない」





有岡「めんどくせっ」





玉森「怖がってたから、やめてあげて。

  もう遅いし、お母さん寝てるかもしれないし」






有岡「そんな常識的な事言ってるけど、なんであんな非常識な事したんだよ。

  A、俺と違って、お前の事、信じて疑わなかったのに」






無視をする事にした。

自分だって、Aの事傷つけてきたじゃん。






有岡「無視かよ。

  もう、いいや」





そう言って、持ってた紙袋をAんちのポストに、強引に突っ込んでた。

「あーあ」とか言いながら、家の中に入ったけど、あと10分待とうと思って。

寒かったけど、Aを守ると思えば、何てことなかった。

Aには、もっと辛い思いをさせてしまったんだから。







玉森『幼馴染、ポストにプレゼントを突っ込んでた。

  家に入ってちょっとたった。

  さすがに11時過ぎてるし、大丈夫かなと思うけど。

  俺も、帰るね。

  今日は本当に嬉しかった、ありがとう。

  また連絡してもいいかな。

  おやすみなさい』











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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月12日 17時

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